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【日経メディカル「日本医学会総会」レビュー Vol.6】
《'95名古屋総会》 「人」と「情報」が表舞台に

2007/05/05

 28年ぶりに名古屋で開催された第24回日本医学会総会では、「死」に関するたくさんのセッションが開かれ、注目を集めました。中でも、作家の柳田邦男氏が講演した「尊厳死・安楽死」では、3000人収容できる会場がほぼ満席に。 

 ほかにも「死に臨むものへのアプローチ」「医学と死」といった講演があったほか、1年前にノーベル文学賞を受賞した大江健三郎氏の閉会講演「癒されるものとして」でも、死に関する話題が多くを占めたといいます。当時の記事では、この傾向を「医学や医療技術の進歩を高らかにうたうだけでなく、その限界とマイナス面を認め、これまで影になっていた部分に光を当てた議論が始まった」と分析しています。

 一方、この総会では、4カ月ほど前に発生した阪神・淡路大震災を受けて、急きょ「阪神大震災に学ぶ」と題した緊急シンポジウムが開かれました。被災者の対応に当たった医師や行政担当者がシンポジストとして参加。震災当日だけで360人の患者が運び込まれた神戸大からは、2週間後に救急医2人が相次いで過労で倒れたことが報告されました。また震災時に多く見られた「クラッシュ症候群」の症例報告が注目を集め、診断や治療の実際が生々しく紹介されました。座長をなさった兵庫県医師会長(当時)の瀬尾攝氏が「1000年に1回の出来事かもしれないが、ここから学べることをすべて学んで備えるのがわれわれの努めだ」と話しているのが印象的です。

 それからもう一つ、この大会で注目されたのは「インターネット」です。世間でようやく話題になり始めたばかりの時期でしたが、前年からインターネットでの利用が可能になった大学医療情報ネットワーク(UMIN)が、会場内でデモンストレーションを実施しました。また、この総会の主務機関だった名古屋大は、総会の学術講演要旨集をインターネットで提供しました。記事中では、このことを「世界各国ののべ1万人以上が、この医学会総会要旨集の“ページ”をめくった」と表現しています。この1万人という数字や、「要旨集の“ページ”をめくった」というもったいぶった表現に、なんだか時代を感じます。ちなみに、この部分を書いたのは、当時まだ20歳代だった私です(*^_^*)。(田島@編集部)

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