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中原裁判傍聴記--判決言い渡しはたったの1分!

2007/03/15

 3月14日13時13分、東京地裁7階の710号法廷でマスコミのカメラによる撮影が始まった。2分間の撮影の間、判決を前にした緊張で空気が張りつめる。そっと見渡すと、52席の傍聴席はすべて埋まっていた。そして13時15分、ついに裁判長が口を開く。

 「主文 1 被告が原告に対し平成15年3月25日付けでした労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付を不支給とする処分を取り消す。2 訴訟費用は被告の負担とする。以上」

 裁判長は早口でこれだけ述べると、席を立って奥に消えてしまった。一瞬の出来事で、裁判長の言葉を正確にメモに取るべく、肩に力が入っていた私は、「えっ、もう終わり?勝訴ってこと?判決理由は??」と戸惑いつつも、原告の中原のり子さん、弁護士団をはじめ、傍聴席の人々の笑顔で、勝訴であったことを実感する。

 法廷の外に出て、一般用の控え室に関係者が集まる。弘中絵里弁護士の勝訴のあいさつに続き、数多くの過労死裁判の弁護経験を持つ川人博氏が「今日の裁判長は、このところ原告敗訴の判決を下すことが多かったので、今日は勝ったときと負けたときの両方のコメントを用意していた。今日は皆さんも、私個人も、非常に緊張したが、こういう結果になって、うれしく思う」と興奮気味に語った。原告の中原のり子さんも「今日は、心は真っ白で来ました。どちらの判決も素直に受け入れる準備をしてきました。思いもかけずに、裁判長の口から(勝訴の判決が)出て、とてもうれしく思う」。簡単に勝てる裁判ではなかったのだ、と改めて感じた。

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