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「限りある医療資源の選択的配分」について語るのはつらいけれど……
ECMO/ICUは人的資源、急ごしらえは難しい

2020/04/03
尾藤誠司(東京医療センター)

 日常臨床における倫理的な課題に個別の事例ベースで向き合うとき、常に中心的な価値として見据えておくべきは「患者にとっての最善となる選択は何か?」という問いです。ある患者さんに胃ろうを作るべきか控えるべきか、とか、医学的には推奨されない治療を患者さんが望むときにどうするべきか、といった倫理的な問いの中心には常に「患者にとっての最善となる選択は何か?」があります。

 私は臨床倫理コンサルテーションに携わる医療者として、常にこの問いを中心に添えながら一つひとつの事例に関わっています。そして、この問いを忘れずに向き合っていれば、多くの臨床問題については大きく間違った方向にはいかないだろうという気はしています。しかしながら、現実の臨床において「患者にとっての最善となる選択は何か?」という視点だけでは立ち行かなくなるような問題が起こることが少なからずあります。その代表的な問題が、「限りある医療資源の選択的配分」に関する問題です。

連載の紹介

尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」
医師のあり方を神に誓った「ヒポクラテスの誓い」。紀元前から今でも大切な規範として受け継がれていますが、現代日本の医療者にはそぐわない部分も多々あります。尾藤氏が、医師と患者の新しい関係、次代の医師像などについて提言します。

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