先日若い医師から「医学統計のセミナーをやってほしい」と言われ、院内で3回くらいの連続レクチャーを行いました。最近感じていることですが、統計学って、理系の人よりも文系の人の方がすんなり理解できるようですね。私も疫学・統計学を少しかじっていますのでこの辺りは大変興味深いです。
統計は、あらかじめウソである
「世の中には3種類の嘘がある: 嘘、大嘘、そして統計だ」。マーク・トウェインによって流布されたこの有名な言葉は、統計の持つ特徴を大変的確に表しています。統計は、あらかじめ構造的にウソなのです。恐らくここに理系の人たちが統計に右往左往されてしまう最も重要な理由があります。理系アタマの人たちが追い求めるものは「真実」です。そして、真実は常に一つである、というのが理系の原則です。統計はこの原則を大きく嘲笑います。
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著者プロフィール
尾藤誠司氏(東京医療センター臨床研修科医長)●びとうせいじ氏。1990年岐阜大卒。国立長崎中央病院、UCLAなどを経て、2008年より現職。「もはやヒポクラテスではいられない 21世紀 新医師宣言プロジェクト」の中心メンバー。

連載の紹介
尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」
医師のあり方を神に誓った「ヒポクラテスの誓い」。紀元前から今でも大切な規範として受け継がれていますが、現代日本の医療者にはそぐわない部分も多々あります。尾藤氏が、医師と患者の新しい関係、次代の医師像などについて提言します。
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