「この事例でインシデントレポートを作ってみようか?」とある若い医師に持ちかけてみました。
ご存じのように、今やほとんどの病院で、職員からインシデントレポートを収集し分析することを奨励しています。病院によってはヒヤリハット報告とも言われているものです。インシデントレポートは、患者の安全を脅かす事例をその要因とともに病院職員が共有していくことで、病院における医療の安全性を継続的に高めていくためのシステムアプローチとして、確実に成果を上げていると私も感じます。
事例の分析方法にはいろいろあるようですが、当院では各部署から報告されたレポートを、医療安全の管理担当者が事例分析も踏まえて職員にフィードバックする機会が毎月あります。大変勉強になるし、継続的に行われることで、間違いなくより安全な医療の提供に直接つながっていると思います。
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著者プロフィール
尾藤誠司氏(東京医療センター臨床研修科医長)●びとうせいじ氏。1990年岐阜大卒。国立長崎中央病院、UCLAなどを経て、2008年より現職。「もはやヒポクラテスではいられない 21世紀 新医師宣言プロジェクト」の中心メンバー。

連載の紹介
尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」
医師のあり方を神に誓った「ヒポクラテスの誓い」。紀元前から今でも大切な規範として受け継がれていますが、現代日本の医療者にはそぐわない部分も多々あります。尾藤氏が、医師と患者の新しい関係、次代の医師像などについて提言します。
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