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新型コロナの出張検体採取で感じた現場の苦労

2021/01/20

出張での検体採取に向かう東病院のチーム

 年明けから、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘いが続いている。熊本でも1月から病床使用率が90%を超えた。

 2020年末(12月27日)には、熊本市保健所から東病院に要請があった。サービス付き高齢者向け住宅の職員から感染者が出て、その職員の同僚や入所者が濃厚接触者となったのでPCR検査の検体採取をしてほしいとの要請だ。

 我々、民間病院へ依頼が来るということは、保健所も手一杯で大変だということだろうと、要請を引き受けた。検体採取が必要なのは、濃厚接触者とされた入所者16人と職員13人の計29人。検体数も多く、できるだけ短時間に済ませようと、こちらも医師2人、看護師1人、事務員2人でチームを編成した。

 感染予防対策として、全員にN95マスク、フェイスガード、防護服、足カバー、手袋2枚重ねという装備を準備。チームは、出発前に東病院内であらかじめ防護服を着こんで、当院の救急車に乗り込んだ。経験者はお分かりだろうが、N95マスクで作業するとかなり息苦しい。そこで、到着後にフル装備になることにした。

 病院から30分程度で現場に到着。救急車を降りて、もう一度5人で集まり、ゾーニングの確認を行った。救急車内をグリーンゾーン、救急車から施設玄関前をイエローゾーン、施設内をレッドゾーンとした。私自身、防護服(タイベック)を着用したのは初めてだ。外は寒かったので、検体採取後の脱ぎやすさを考えて、防護服の下は上下ジャージにした。

 施設到着後、フル装備となり、お互いの着用にミスがないかを確認。事務員1人は、救急車から必要物資を配送する係としてイエローゾーンに残し、検体採取中は外から施設への出入りをさせないよう玄関に配置した。

著者プロフィール

東謙二(医療法人東陽会・東病院理事長兼院長)●あずま けんじ氏。1993年久留米大卒。94年熊本大学医学部第2外科。熊本地域医療センター外科などを経て、2000年東病院副院長。03年より現職。

連載の紹介

東謙二の「“虎”の病院経営日記」
急性期の大病院がひしめく熊本市で、63床の病院を経営する東謙二氏。熊本市の若手開業医たちのリーダー的存在でもある東氏が、病院経営や医師仲間たちとの交流などについて、ざっくばらんに語ります。
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