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地震、コロナ、水害の次は台風10号が来た

2020/09/14

 台風10号が過ぎ去った。幸い、熊本市内はさほど被害を受けなかった。ただ熊本人としては、地震、コロナ、水害と続いているだけに「もう懲りた」という感じである。

 東病院では、院長交代と同時に組織再編を行った。これは、医療法人の形態を「持ち分あり」から「持ち分なし」に変更するに当たって、現在の理事会を一度解散し、新しい理事会を作るための改革である。その関連で、吉仲事務長には医療法人全体の事務局長に就任してもらい、東病院の新事務長を堀田課長に任せることとなった。そんな状況だったので、今回の台風10号は、新体制になって初めての災害対策となった。

 今回は、9月2日水曜の台風発生前から、異例の早さで気象庁が「特別警報級の台風」と警戒を促していた。東病院でも、早速警戒対策本部を立ち上げた。当初の予想では、4日後の6日日曜に熊本に最接近すると考えられていた。こんなに余裕をもって対策を講じる余裕がある災害も珍しい。

 しかし、伊勢湾台風並みの大きさということだったので、職員には、3日分から5日分の水、食料の備蓄を呼び掛けた。停電時に備え、特別対策チームも組織された。今回は建物被害も予想されたので、施設の窓が割れることも想定した。ただ、近年災害慣れしつつある熊本人が考えることは、皆同じようなものだったようだ。

 9月3日木曜からホームセンターには大行列ができた。お目当ては、窓に張るべニア板、ダンボール、養生テープ、ブルーシートなどである。当院でも結局、材料が入手できず、窓が割れて室内に飛び散るのを防ぐために、カーテンの裾を窓枠の下にガムテープで固定することぐらいしかできなかった。

 テレビでも終日、対策を呼び掛けていたからだろう、3日木曜、4日金曜と、6日日曜が近づくにつれ、ホームセンターだけでなく、コンビニやスーパーでも買い物競争が過熱していった。ガソリンスタンドにも、長蛇の列ができて、まるで災害後の風景のようだった。私自身、この景色を見て、「今回は自分の食料だけは、最接近直前の6日日曜に買おう」と決めた。

 というのも、接近していた台風が徐々に遅れ始めていたからだ。徐々に予報も、日曜上陸から月曜上陸に変わり、予想される中心気圧も上がってきた。日曜に発令されるはずだった特別警報も、出ないかもしれない、という報道が出始めた。日曜までは物流が滞ることもなさそうなので、賞味期限を考えても、食料調達は直前がいいと思った。

著者プロフィール

東謙二(医療法人東陽会・東病院理事長兼院長)●あずま けんじ氏。1993年久留米大卒。94年熊本大学医学部第2外科。熊本地域医療センター外科などを経て、2000年東病院副院長。03年より現職。

連載の紹介

東謙二の「“虎”の病院経営日記」
急性期の大病院がひしめく熊本市で、63床の病院を経営する東謙二氏。熊本市の若手開業医たちのリーダー的存在でもある東氏が、病院経営や医師仲間たちとの交流などについて、ざっくばらんに語ります。
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