日経メディカルのロゴ画像

虎、連日の「コロナ様熱中症」に困ってます

2020/08/20

 新型コロナウイスル感染症(COVID-19)が問題になって半年以上が経つ。私でさえ、接待を伴う夜のお店には、4月以降、5カ月間も行っていない。クラブのママやホステスさんからのメールも無くなった。こんなことは、物心ついてから初めてのことである。

 そんなことはどうでもいいのだが、今、診療で困っていることは「新型コロナ」より「熱中症」である。熊本でも、連日35℃以上の猛暑が続いている。その状況で、何が現場で起きているかといえば、コロナ様熱中症だ。

 連日、救急隊から発熱、頭痛、嘔気の患者について連絡が来るのだ。厳密に言えば、患者は何件も断られて、救急隊によって東病院に運ばれる。

 我々は、救急玄関でコロナ対応の装備で患者を迎える。症状、現病歴、採血、CTでコロナを否定できるまで、病院内は混乱する。本来なら、PCR検査をしてから運んでほしい、というのが本音だ。

 ただ、熊本の現状では、「救急車の発熱者を全員PCRにかけるのは無理」というのが保健所の見解である。そもそも、そんな短時間に結果が出ないので、待機場所も無い。陰圧装置やコロナ疑い患者用のテントも頼んでいるが、まだ設置されていない。

 マスク、防護服は、500万円ほど出費して、あちこちから買い集めた。私としては、職員の安全を保つためなら、どんな出費もいとわない考えである。頑張っている職員のため、夏のボーナスも前年と同額を全員に支給した。コロナで倒産したら、それでもいいと思っている。

著者プロフィール

東謙二(医療法人東陽会・東病院理事長兼院長)●あずま けんじ氏。1993年久留米大卒。94年熊本大学医学部第2外科。熊本地域医療センター外科などを経て、2000年東病院副院長。03年より現職。

連載の紹介

東謙二の「“虎”の病院経営日記」
急性期の大病院がひしめく熊本市で、63床の病院を経営する東謙二氏。熊本市の若手開業医たちのリーダー的存在でもある東氏が、病院経営や医師仲間たちとの交流などについて、ざっくばらんに語ります。
この連載が本になりました!
『“虎”の病院経営日記 コバンザメ医療経営のススメ』
好評発売中

 本連載、「東謙二の“虎”の病院経営日記」が1冊の本になりました。約10年間の掲載からよりぬきの回を「病院経営」「連携・救急」「医療の話」「ひと・酒」の4テーマに分け収録。書き下ろし「中小病院が生き残るための15箇条」の章は、「敵対より連携」「コバンザメ医療経営のススメ」「中小病院の生きる道」「2代目は本当にだめか」「同族経営と事業承継」……など、民間医療機関の経営者には必読の内容となっています。
(東謙二著、日経メディカル開発、2700円+税)

この記事を読んでいる人におすすめ