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『吉田類の酒場放浪記』に学ぶ一人飲みのススメ

2015/03/06
東謙二

いわゆる酒場のイメージ(番組とは関係ありません)。

 突然ではあるが、BS-TBSで放映されている『吉田類の酒場放浪記』をご存じだろうか。2003年のスタートなので、かなりの長寿番組だ。

 番組名からして、吉田氏が全国各地の飲み屋を回って飲んだくれるのであろうことは容易に想像できる。同じく飲んだくれの私だが、酒場なんか珍しくないし、番組は見たことがなかった。医者だからといって、医療ドラマをチェックしないのと同じだ。そもそも不眠不休で馬車馬のように働いて、帰宅してからも医療現場を目にしたいと思う医師はいないだろう。

 でも、たまたま最近、複数の友人から「(飲んだくれのくせに)酒場放浪記、見たことないの?」と聞かれたことから、先日初めて録画してみた。実際に見てみると想像通り、吉田氏が酒場を飲み歩く番組に違いなかった。

 番組のオープニングは、日が高い時間、ある街の駅前に一人立つ吉田氏が、「こんにちは、吉田類です」と、笑うでもなく、怒るでもなく、真顔で挨拶するところから始まる。初めて見る吉田氏は、どことなく自信に満ち溢れた印象で、「吉田類と言えば分かるでしょ」という雰囲気を醸し出していた。

「過去にどんな偉業を成し遂げたのだろう?」
「もしかして吉田松陰の子孫とか!?」

 一体、吉田類とは誰なのか、あまりにも気になったので、番組を見ながらWikipediaで調べてみた。

 年齢は65歳、生まれは高知県、職業は酒場ライター…。あれ……期待していた情報と違う…。いやいや、きっと過去の経歴がすごいのだろう。さらに調べると、小学校時代から絵画を習い、画家として10年間パリで活動。30歳代半ばで日本に戻ってイラストレーターになったことが分かった。

 あれれ…画家を目指す人によくあるストーリーだな…。どれだけ検索しても、私が想像していた、膝を打つような経歴は見当たらなかった。結局、番組が進むにつれ、「吉田氏は一人飲みのプロフェッショナル」であるという私なりの結論に達した。

著者プロフィール

東謙二(医療法人東陽会・東病院理事長兼院長)●あずま けんじ氏。1993年久留米大卒。94年熊本大学医学部第2外科。熊本地域医療センター外科などを経て、2000年東病院副院長。03年より現職。

連載の紹介

東謙二の「“虎”の病院経営日記」
急性期の大病院がひしめく熊本市で、63床の病院を経営する東謙二氏。熊本市の若手開業医たちのリーダー的存在でもある東氏が、病院経営や医師仲間たちとの交流などについて、ざっくばらんに語ります。
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 本連載、「東謙二の“虎”の病院経営日記」が1冊の本になりました。約10年間の掲載からよりぬきの回を「病院経営」「連携・救急」「医療の話」「ひと・酒」の4テーマに分け収録。書き下ろし「中小病院が生き残るための15箇条」の章は、「敵対より連携」「コバンザメ医療経営のススメ」「中小病院の生きる道」「2代目は本当にだめか」「同族経営と事業承継」……など、民間医療機関の経営者には必読の内容となっています。
(東謙二著、日経メディカル開発、2700円+税)

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