
東病院には昼夜を問わず、多くの救急患者が搬送されてくる。
先日、九州厚生局による2014年度診療報酬改定に向けた講習会に出席した。
このブログでも散々述べてきたように私はこれまで、診療報酬に応じて病院の基本形態を変えるような経営をしてこなかった。東病院は24時間体制で1次救急と2次救急に対応しているのだが、地域においてうちのような病院に存在意義があるのなら、職員に多少の無理を強いても救急を続けるのは当然のことであり、逆に存在意義が失われてしまえば、さっさと止めるのが当たり前だと考えている。医師として、1人の医療従事者として、我々の使命は、患者が求める医療を提供することに尽きる。だから東病院が患者に選ばれなくなれば、病院を閉めるだけである。
しかし今年度の改定では、どうしても病棟形態の変更せざるを得なくなった。今までの改定でも細かな項目の変更はしてきたものの、病棟形態まで変更するのは初めてだ。これは何も東病院に限った話ではなく、大部分の病院や相当数の診療所が、変更を余儀なくされるのではないかと思っている。
どのような変更が必要になるかは、後述するとして、まずは改定の内容を振り返ってみたい。今改定で最も衝撃だったのは、我々のような民間病院だけでなく基幹病院までをも巻き込む形で、7対1入院基本料を算定できる病院の施設基準が見直された点だ。7対1を算定できる病院を絞り込み、高度急性期を担う病院と一般急性期を担う病院の機能分化を進めようということである。
もっとも私自身、こうした改定がいつか行われるだろうと予想はしていた。国内には限られた人数の看護師しかいないにも関わらず、看護師数さえ増やせば収入が増えるというのはおかしな仕組みだったからだ。このような仕組みを続けていれば、看護師不足は深刻化し、本当に看護師が必要な高度急性期医療への影響が避けられなくなるのは容易に想像が付いた。東病院も看護師数からすると7対1の算定が可能だったが、躍起になって看護師集めをしないでいいよう、今まで10対1を算定してきたので、その意味での影響はなかった。