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わが親父と「飛行機のある病院」の思い出

2013/05/31

 東病院の敷地にはかつて、ビーチクラフトという双発の(2つのエンジンを備えた)飛行機が置いてあった。そのため東病院は私が小さい頃、熊本市内で「飛行機のある病院」と呼ばれていた。それは以前このブログで書いたように(2008.10.7「私が飛行機とヘリの免許を持っている理由」)、親父が“飛行機野郎”だったからだ。

 親父は少年時代、陸軍幼年学校に入学し、陸軍航空隊の入隊を目指している時に終戦を迎えた。医者になってからも、小型機のパイロットとなり、仕事として空を飛ぶことができる事業用免許、パイロットを育成することができる教官免許まで取得。さらには双発機、水上飛行機の資格まで取るほどの熱中ぶりだった。

いらぬ男気見せ、飛行機を買った親父
 話は約30年前に遡る。航空自衛隊のビーチクラフト2機が老朽化のために全国で競売にかけられた。ところがさっぱり買い手がつかず、ある日親父の元へ1人の自衛官がやってきたのだ。

 「買い手がつかなかったら、プレスされてしまう。それだけは避けたい」――。その自衛官にとってみれば、ビーチクラフトは自分たちが未熟なパイロット時代に世話になる練習機。それがプレスされてしまうのは、忍びなかったのだろう。

著者プロフィール

東謙二(医療法人東陽会・東病院理事長兼院長)●あずま けんじ氏。1993年久留米大卒。94年熊本大学医学部第2外科。熊本地域医療センター外科などを経て、2000年東病院副院長。03年より現職。

連載の紹介

東謙二の「“虎”の病院経営日記」
急性期の大病院がひしめく熊本市で、63床の病院を経営する東謙二氏。熊本市の若手開業医たちのリーダー的存在でもある東氏が、病院経営や医師仲間たちとの交流などについて、ざっくばらんに語ります。
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(東謙二著、日経メディカル開発、2700円+税)

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