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[CASE03]
片麻痺の母、うつ病の娘…訪問看護の対象は?

2020/02/26
川上 加奈子(よつば訪問看護リハビリステーション 看護主任)

【困難事例3】「家族の協力が得られず、社会からも孤立している」ケース

 Cさんは8年前に脳梗塞を起こし、左上下肢不全麻痺になり、車椅子生活となった。

 娘が1人いるがうつ病があり、社会生活にもともとあまり馴染めていなかった様子である。車椅子生活になってからは、夫がCさんの介護と仕事を両立していたが、4年前の9月、夫が亡くなり生活保護を受給するようになった。その後、娘のうつ病はさらにひどくなり、精神科から処方される薬の内服もままならなくなった。Cさんは自立を目指し、車椅子で家事がこなせるように住宅改修を行い、掃除、洗濯、食事も作っているが、麻痺があるためかなり時間もかかり大変な状況である。

 頼りの娘は、「家事をするのはお母さんのリハビリになるから手伝わないの」と話し、最低限しかかかわろうとしない。Cさんは、娘にもっとしっかりしてほしいと思っているものの、自分の子育てで娘が引きこもりになってしまったという自責の念があり、叱ることができずにいる。
 娘は、訪問看護師がCさんを訪問すると、「お母さんばかりずるい」と泣くこともあり。そのため、看護師が娘の話を聴いてあげていると、娘は落ち着き、Cさんもホッとした表情になるため、実質2人の訪問に入っているような状況である。
 現在、娘は症状が悪化し、精神科の受診や内服も中断。入浴や歯磨きなどの基本的な保清行為さえできず、一日中寝ている。

 Cさんと娘は、近所との交流も全くなく、日中も家中の窓を閉め切っており、社会から完全に孤立している。どうにもならない現実に「このまま死んでしまってもいい」とCさんは訴えることもある。

連載の紹介

カンファで解決!訪問看護の困難事例
よつば訪問看護リハビリステーション(横浜市瀬谷区)が行っている事例検討会を通して、訪問看護の現場で起こる様々な困難事例の解決方法を考えていきましょう。看護師の学び・仕事に役立つサイト「ナース専科plus」の協力でお届けします。
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