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退院調整だけでは患者の希望は叶えられない

2017/02/03
宇都宮宏子(在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子オフィス)

© 2012 Osada Keiko

 「退院支援の伝道師」として、私が病院のナースに向けて伝えたいことのひとつは、「退院支援とは、看護そのものである」ということです。

 今回は、私の退院支援に関する基本的な考え方についてお伝えしたいと思います。

 前職の大学病院では、病棟ナースや地域ネットワーク医療部の医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)と一緒に退院支援に携わるなかで、入院決定から退院までのプロセスを可視化してきました。そして、病棟ナースだからこそできる看護と、退院支援の専門部署のナースやMSWが在宅療養コーディネーターとしてできることを明確に分けて、院内のシステム化を進めてきました。「退院支援」と「退院調整」を、意識的に分けて考えることが重要だと考えたのです。また、病院で働くナースたちには、「退院支援を切り口にして看護を取り戻そう」と伝えたかったのです。



 「退院支援」と「退院調整」は同じものではなく、「退院支援」のプロセスの一部が「退院調整」となります(下表1))。

著者プロフィール

宇都宮宏子◎うつのみやひろこ氏。1980年京都大学医療技術短期大学部看護学科卒業。看護師を経て訪問看護師に。2002年より京都大学附属病院退院調整看護師。2012年在宅ケア移行支援研究所を設立し、コンサルテーション活動などを行う。著書に『退院支援実践ナビ』『これからの退院支援・退院調整』『退院支援ガイドブック』ほか。

連載の紹介

宇都宮宏子の「退院支援」活動日誌
日本の退院支援・在宅療養移行支援のパイオニアである筆者の活動日誌。「退院支援の伝道師」として全国を駆け回る著者が、行く先々で出会った仲間たちの声とともに、日本の退院支援のいまとこれからを伝えるエッセイ風コラム。退院支援にかかわるあらゆる医療者に向けて、筆者が今感じていること、退院支援の課題ややりがい、読者に伝えたい熱い応援メッセージをお届けします。

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