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ハイパフォーマーな看護管理者の条件

2014/10/08
根本康子

 8月29~30日に愛媛県松山市で開催された、日本看護管理学会学術集会に参加してきた。今年は「地域包括ケア時代の看護マネジメント」をメインテーマとして、今の医療政策を反映した企画が多く、地域包括ケアシステムにおける看護管理者の役割について多くの示唆を得る機会になった。

 今年10月から病床機能報告制度がスタートし、都道府県での地域医療構想(ビジョン)策定に向けた一歩が踏み出された。今後、地域包括ケアシステムの構築に向けて、機能分化、病床再編の加速度が増すことになる。

 実はこのことは、これまで看護部長に求められていた役割が師長にも求められるようになることを意味する。これまで診療報酬上の施設基準届出等では、病院単位の情報が求められてきた。しかし、病床機能報告制度では、病院単位の情報に加え、病棟単位の人員配置、入院患者状況、診療実績、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下、必要度)を満たす患者割合を報告する。これにより、急性期病床なのか、あるいは回復期、慢性期の患者が多いのかが、病棟単位で丸分かりになってしまう。

 特定機能病院である当院も、高度急性期、急性期に該当する患者だけが入院しているわけではなく、必要度の基準を満たす患者割合(15%)がクリアできない病棟が出てくる。他大学でも同様の声が聞こえており、病床再編、あるいは病床数削減、機能分化は、大学病院といえども対岸の火事ではないのだ。

 さらに、今年度の診療報酬から、ICU、HCUの基準が厳格化されたことで、臨床上は重症者に区分される患者を、ICU、HCUでの基準を満たせないために、一般病棟で受け入れなければならない事態が起こっている。急性期病院では在院日数が短縮し、病棟での看護師業務の忙しさに益々拍車がかかる一方、重症患者を受け入れなければならないことを考えれば、効率的な病床再編を行わざるを得ないだろう。師長もこれらのことを十分理解して、日ごろの効率的なベッドコントロールと、今後の病床再編も視野にした人的資源管理をする必要があると考えている。

著者プロフィール

高崎由佳理(杏林大病院副看護部長、左)●たかさき ゆかり氏。1990年杏林大病院入職。産科病棟師長、外来師長などを経て、2014年から現職。12年国際医療福祉大大学院修了。助産師。根本康子(杏林大病院副看護部長、右)●ねもと やすこ氏。1987年杏林大病院入職。2004年手術部師長、14年から現職。13年国際医療福祉大大学院修了。

連載の紹介

新米副看護部長が行く!@杏林大病院
2014年4月に副看護部長に就任した二人の筆者が、看護部での奮闘の様子を交互に綴るエッセー。診療報酬制度など病院経営に直結する話題から、人材育成に関することまで、看護管理全般の話題に幅広く切り込みます。

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