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顎が痛い!原因はストレス!?

2014/09/11
根本康子

 私が働く杏林大学病院には、美容外科があり、重瞼(じゅうけん)術、除皺(じょしゅう)術、脂肪吸引術など美容外科的な手術をはじめ、皮膚の若返り治療など非手術的な美容診療まで行っている。昨年まで手術部に勤務していたため、美容外科手術を受ける患者さんをたくさん見てきた。

 患者さんを見てうらやましいと思う反面、私の場合、気になるパーツがたくさんありすぎて、途中から“別人”になる勇気もなく今に至っている。先日、電車の車内で、20歳代と思しき女性のメークアップの一部始終を目撃し、すっぴんからのあまりの大変身ぶりに驚かされたが、彼女のような“おめめパッチリメーク”をする勇気もない。ということで、気になるパーツをそのまま世にさらけ出して毎日を過ごしている次第である。

 そんな、見た目に気を配れないでいる私であるが、最近、歯科治療に興味がある。といっても、ホワイトニングのような審美歯科ではなく、10年以上前に治療した歯の充填物が次々に外れ、歯科クリニックに通うことになったのだが。

 最初に受診したクリニックでは、レントゲンで全体の歯の状態を見た結果、「充填物が外れた個所のメンテナンスだけで良い」との診断だった。再度充填物を入れた後、「虫歯が深いため、もし痛みが出たら神経を抜かなければならないかもしれない」と説明を受け、治療が終了した。

 歯科治療は、虫歯があれば削り、何かを詰める。ひどければ抜く。そんなものなのかと思っていたので、「痛くなったら神経を抜けばいいのね」程度に捉え帰宅した。ところが、受診から1カ月が過ぎた頃、今度は顎全体に激痛が出て、持続するようになった。いよいよ仕事に集中できなくなり、同じクリニックに予約しようとしたが、ちょうどその日は休診日だった。行くと決めたら後回しにできない性分のため、たまたま予約できた違うクリニックを受診した。

良医との運命的な出会い?
 ところが、飛び込みで受診したそのクリニックは、これまでの歯科治療経験からは想像できない「良医」であった。というのも、前のクリニックとは全く違うインフォームドコンセントと治療方法で、とにかく丁寧な説明と目からうろこの納得できる治療計画だったからだ。

 まず、レントゲンを見て、「顎の痛みは、かみ合わせが強いことが原因なので、充填物の高さを調整して様子をみましょう。神経を抜くのは最終手段にしましょう」と説明された。「神経を抜かなくても痛みが治まるのか?」という私の疑いのまなざしを察したのか、こんなに時間をかけて良いのかとこちらが心配になるくらい、懇切丁寧に説明してくれた。

 簡単にまとめると、私は無意識に歯を食いしばっているため、顎に力がかかり過ぎており、前回の治療でかみ合わせが変わったことで、顎全体に痛みが出たそうだ。今後は、かみ合わせの治療もする必要があるとのこと。

 その説明に納得だった。確かに、意識すると歯を食いしばっている。寝ても覚めてもそうしていることを初めて自覚したのだ。ちなみに、この話を後日、看護部で隣のデスクにいる高崎さんに話したところ、同じく歯を食いしばっていると指摘されたことがあるそうだ。彼女の場合、さらに眉間に立てじわが入り、体が硬直している状態で夜中に目が覚めることがあるらしい。よほど疲れているに違いない(笑)。

 高崎さんも、意識して顎を緩めるようにしているそうだ。当院の看護部に来たら、「二人並んで口を半開き」なんて光景が見られるかも……。

 歯の充填物が次々に外れたのも、もしかしたら、副看護部長になったストレスが原因じゃないか?そうに違いない。最近、夜中に目が覚めることが多くなったし……などと思い当たることも多く、その歯科医以外、私の歯を治せる人はいないと思うくらい信頼している。有名占い師に心酔するのと同じ感覚?何はともあれ、信頼できる医師に偶然出会えたことに感謝である。

 体の部位は違っても、患者に向き合ってくれる医師の存在は有り難いものだと改めて感じた。また、このクリニックは、歯科衛生士さんも素晴らしい人だった。

著者プロフィール

高崎由佳理(杏林大病院副看護部長、左)●たかさき ゆかり氏。1990年杏林大病院入職。産科病棟師長、外来師長などを経て、2014年から現職。12年国際医療福祉大大学院修了。助産師。根本康子(杏林大病院副看護部長、右)●ねもと やすこ氏。1987年杏林大病院入職。2004年手術部師長、14年から現職。13年国際医療福祉大大学院修了。

連載の紹介

新米副看護部長が行く!@杏林大病院
2014年4月に副看護部長に就任した二人の筆者が、看護部での奮闘の様子を交互に綴るエッセー。診療報酬制度など病院経営に直結する話題から、人材育成に関することまで、看護管理全般の話題に幅広く切り込みます。

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