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短期連載◎経営ができる看護師になろう!【第7回】
教えて!訪問看護のお給料のこと、評価のこと

2016/03/07
上村 隆幸(インキュベクス)

 今回はいよいよ、病院勤めの看護師さんが特に知りたい「訪問看護師給料」のお話をいたします。その前に、まずはお給料に結び付く「評価」について考えてみましょう。

ムダが少ないほど評価される
 誤解を恐れずに言うと、経営者が評価したい看護師、つまりお給料をたくさんあげても良いと考える看護師は、「たくさん訪問してくれる看護師」です。フルタイムの看護師の場合、1日に1、2件しか訪問できない看護師と5、6件訪問する看護師では、当前、後者の方が高く評価されます。

 「でも、たくさん訪問できるかどうかは、看護師の能力や意思と関係ないんじゃないの?」と思われるでしょう。はい、確かにそうです。急に訪問看護の予定がキャンセルされてしまうこともありますし、利用者に訪問看護をいつ依頼してもらうかを、事業所側が自由にコントロールできるものではありません。

 だからこそ、マネジメントを行う立場の人間側が、看護師の勤務時間範囲内でなるべく多く訪問できる体制を構築しなければならないのです。もし、あなたが「多くの訪問看護師さんの上に立つ」ことを目指すのであれば、勤務時間内でめいっぱい看護師さんに働いてもらえるようなマネジメントの仕方を意識しながら、今から行動しましょう。

 実は、そうした無駄のない訪問体制を構築する、つまりスケジュールがびっしり詰まった予定を組むことが、看護師さんにとっても働きやすい環境につながるのです。なぜでしょうか?

スケジュールが詰まっているほど働きやすい理由
 当社を題材に訪問看護事業の課題を研究している産業技術大学院大学の戸沢義夫教授が、ある訪問看護ステーションに経営側のスタッフとして勤めていた当社社員の事例について分析した結果をご紹介しましょう。

 そのステーションでは、看護師の稼働率が極端に悪く、キャンセルを理由に訪問件数が少なかったり、特定の利用者の予約を理由にスケジュールの調整を看護師さんが拒んだりすることが頻繁に起きていた時期があったそうです。これでは訪問件数は増えず、売上も給与も増えようがありません。

 この状況を改善するためにまず変えたのが、「利用者の都合に合わせて看護師を手配する」のではなく、「看護師の都合に利用者の都合を合わせてもらう」ようにしたことです。実は、利用者や関係者の要望に合わせてスケジュールを組むと、訪問と訪問の間に余計な空き時間ができるなど、無駄が発生しがちです。「朝だけの勤務」を希望しているパートの看護師にもかかわらず、「朝と夜」に訪問せざるを得ないといった状態に陥るのです(図1)。「看護師にとっても働きにくい状況が生まれ、結果的にそれが利用者にとっての不都合を生む」と戸沢教授は言います。

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