日経メディカルAナーシングのロゴ画像

短期連載◎経営ができる看護師になろう!【第6回】
仕組みづくり・人づくりはITの力を借りよう

2016/02/12
上村 隆幸(インキュベクス)

 ここまでの5回の連載をお読みいただいた方はお気付きかもしれませんが、どんなに優秀な看護師さんでもたった1人で年収1000万円を実現するのは難しいです。そこには必ず、良い組織と良い仲間が必要です。今回はそんな年収1000万円の看護師さんを生み出すための仕組みづくり・人づくりのお話をしましょう。

 連載第1回で紹介した、すごい看護師さん、「みんなの訪問看護リハビリステーション」を経営する森元陽子さんは、仕組みづくり・人づくりに長けた方で、開業から4年で3カ所の訪問看護ステーションを運営するまでに至りました。ステーションが3カ所あるということは、管理者も3人いるということです。

 通常、看護師出身の訪問看護ステーションの経営者は、自分自身で管理者を兼ねますが、森元さんは最初こそ自分で管理者を務めていたものの、今は各拠点の看護師にその座を譲っています。つまり、自分以外に管理者を任せられる看護師を、立派に育てることに成功したのです。加えて森元さんは、看護師以外のマネージャーの育成にも積極的です。同社には看護部門だけでなく、リハビリ部門や居宅介護(ケアマネ)部門にもそれぞれトップの役割を果たす人がおり、これらの部門のトップも「管理者」と呼ばれ、看護部門と並ぶ権限が与えられています。森元さんはこうした部門の人材育成にも積極的で、看護師部門と同様の活躍を期待しているのです。

密な情報共有で知識の「たこつぼ化」防ぐ
 今や非常勤スタッフも含め、3拠点で100人近い巨大な組織となった「みんなの訪問看護リハビリステーション」。この成長の原動力となっているのは、日々行われる綿密な打ち合わせと勉強会です。森元さん自らが積極的に推進し、講師役を務めることも少なくないこれらの会では、リフレクション(自分自身の振り返り)や知識の再確認などを行っています。具体的には、利用者本位のものの見方や客観的に物事を見る力などを基礎的な部分から学び、それらを繰り返し確認するほか、看護師であれば誰もが知っているけれど再確認する機会がない「ナイチンゲール誓詞」の読み合わせなど、初心に戻る学びの機会となっています。

 とかく組織が大きくなると、セクショナリズムが台頭し、風通しが悪くなっていくものです。また、知識やノウハウも「たこつぼ化」し、小さな組織内だけで通用する形に変形してしまいがちです。これらを阻止するのに必要なのが、綿密な打ち合わせと定期的な勉強会なのです。

 さて、このように順調な成長を続ける「みんなの訪問看護リハビリステーション」ですが、同社にとって次の課題はIT化かもしれません。既に打ち合わせや勉強会では、ビデオ通話システムで拠点間を結んだり、データを収集・分析して営業計画を立てるなどのIT活用を行ったりしていますが、今後はこれまで以上に大規模なIT活用が必要になるでしょう。なぜなら、面と向かっての交流や情報共有には、自ずと限界があるからです。

この記事を読んでいる人におすすめ