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リポート◎進化する褥瘡・創傷ケア(後編)
話題の病態「スキンテア」をどう防ぐ?
摩擦やずれで生じる外傷性創傷、保湿剤塗布で発症半減

2015/04/13
森下紀代美=医学ライター

 褥瘡との鑑別が必要な病態の一つとして近年注目されているのが、「スキンテア」と呼ばれる皮膚裂傷だ。皮膚が脆弱な人に摩擦やずれなどの一時的な外力が加わることで生じる創傷で、「絆創膏を剥がすときに一緒に皮膚が剥がれた」「四肢がベッド柵に擦れて皮膚が裂けた」「体位変換時に身体を支持していたら皮膚が裂けた」など、日常的に起こり得る。

 高齢化が進む日本では、スキンテアに対する取り組みは大きな課題である。2014年12月に開催された照林社看護セミナー「褥瘡・スキンテア(皮膚裂傷)・失禁のスキンケア:世界の最前線2014」では、スキンテアの研究に最前線で取り組む、豪シルバーチェーン&カーティン大学プライマリーヘルスケア&地域看護教授のケリリン・カービル(Keryln Carville)氏が登壇し、同病態の予防とケアについて解説した。

処置を行うあらゆる場所で起こる
 スキンテアは、オーストラリア人のように暑い地域に居住する白色人種に特に発生しやすいとされる。カービル氏らが2007~2011年に行った調査では、西オーストラリアの86の公立病院の入院患者におけるスキンテアの有病率は8~11%だった。同地域の80歳以上の退役軍人を検討した別の調査では、20%に及んでいた。

 こうした実態を踏まえてカービル氏らは、スキンテアをアセスメントして分類するためのシステムとして、STAR(Skin Tear Audit research)スキンテア分類システムを開発した(図1)。1993年に発表されたスキンテアの定義、「主として高齢者の四肢に発生する外傷性創傷であり、摩擦単独あるいは摩擦・ずれによって、表皮が真皮から分離(部分層創傷)、または表皮および真皮が下層構造から分離(全層創傷)して生じる」を検証し、その上で臨床での対応により活用できるものとするため、組織の欠損、血腫や斑状出血の有無などの特徴により、五つの病態に分類した。

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