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NEWS◎第3回「看護師特定行為・研修部会」開催
41特定行為の了承に日医委員が「待った」
気管挿管やドレーン管理など6行為の妥当性を再検討へ

写真 「看護師特定行為・研修部会」の様子

 「(特定行為については)本部会で検討することが法律上位置付けられているにもかかわらず、『ワーキンググループ(WG)での議論を追認すればよい』という、(本部会の)進め方には大変疑問を抱いている」――。10月23日に開かれた厚生労働省「医道審議会保健師助産師看護師分科会看護師特定行為・研修部会」(部会長:国立病院機構桐野高明理事長。以下、部会)の第3回会合は、委員の一人である日本医師会常任理事の釜萢敏氏の、こんな発言から始まった(写真)。

 特定行為41項目(案)に関しては、第1回第2回の部会において、「多くの委員が了承したもの」として議論が進められつつあったが、この日の部会では、冒頭の釜萢氏の意見を踏まえ、41項目中、関係学会などから修正・削除等の意見が挙がっていた12項目について、特定行為としての妥当性を改めて検討。気管挿管や胸腔ドレーン管理など6項目については委員の間で合意には至らず、次回以降、引き続き議論することとなった。

 現在提案されている特定行為41項目は、2013年10月の「チーム医療推進会議」において示された。同会議の下に設置された「チーム医療推進のための看護業務WG」で、3年以上にわたる議論の末、取りまとめられたものだ。

 部会の委員には、同WGの委員を務めた委員も少なくない。その一人、真田弘美氏(日本看護協会副会長)は、冒頭の釜萢氏の発言に対し、「『WGや推進会議で決めたからこれ以上検討する必要ない』との認識で議論を進めているつもりはない」と述べ、41項目については、あくまで部会での2回の検討の結果、安全性の担保を要する行為であるがゆえに、研修をきちんと受けて実施できるようにすべきと、大多数の委員が賛同したとの認識を示した。

 だが、釜萢氏の認識は異なっていた。そもそも、41項目については、今春の通常国会でも気管挿管などの安全性を懸念する声が議員の間から挙がっていた。また、今年9月、厚労省が特定行為(案)に関し関係学会に再度意見を求めたところ、日本皮膚科学会が「褥瘡の血流のない壊死組織のシャープデブリードマン」や「褥瘡・慢性創傷における腐骨除去」を特定行為に含めることに反対を表明。さらに、日本麻酔科学会も、気管挿管について「医師不在の環境下で看護師が単独で実施するには極めて危険の高い行為」「手順書の作成は困難」との見解を示した。

 釜萢氏は、「WGの結論に対し、その後の国会審議の場や学会から意見が出されているのだから、そこは一つ一つ真摯に受け止めて検討し、修正すべきところは修正するのが、国民にとって安心な制度にするために必要なことであり、この部会の義務だ」と指摘。それを受け、この日の部会では、該当する12項目の妥当性について改めて検討することとなった。

 そのうち、(1)人工呼吸器モードの設定条件の変更、(2)病態に応じたインスリン投与量の調整、(3)脱水の程度の判断と輸液による補正、(4)経口・経鼻気管挿管チューブの位置調整、(5)腹腔ドレーン抜去(腹腔穿刺後の抜針含む)、(6)橈骨動脈ラインの確保――の6項目については、特定行為に含めることについて委員の間で異論は特になく、了承された。

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