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インタビュー◎どうなる?これからの看護界
「認定看護師の位置付けを再考したい」
井部俊子氏(聖路加看護大学学長)に聞く

「認定看護師は、ジェネラリストとして捉え直すべきなのではないか」と話す聖路加看護大学の井部俊子氏。写真:秋元忍

――最近、ご自身で「認定看護師(Certified Nurse:CN)をジェネラリストと考えてはどうか※1」との見解を示されました。看護界には様々な反響が出ているようですが…。

井部 日本看護協会は看護に関わる用語について共通認識を図るため、2006年9月から07年3月に「日本看護協会における看護職に関する呼称等の定義プロジェクト」を発足させ、私はその委員長になりました。そこでは、ジェネラリストを「特定の専門や看護分野にかかわらず、どのような対象者に対してもその場に応じた知識・技術・能力を発揮できる看護職」、スペシャリストを「ある学問分野や知識体系に精通している看護職」とそれぞれ位置づけました。その上で、スペシャリストの中に、専門看護師(Certified Nurse Specialist:CNS)、CNを組み入れた経緯があります。

 しかし、さまざまな現状を鑑みると、CNはジェネラリストとして捉え直すべきなのではないかと思うようになりました。そもそも制度をつくるとき、CNはジェネラリストとして考えられていたようです。呼称の定義付けにかかわった者として、自己批判しているところです。

――そもそもCNS、CNが制度化された経緯について教えてください。

井部 看護業務は歴史的な変遷の中で、複雑かつ高度化してきました。特殊な技術を要したり、健康教育や保健指導に関するものまで業務も拡大しました。そうした流れの中で、1994年に日本看護協会はCNSの資格認定制度を立ち上げました。本来はそれだけで済むはずだったのですが、看護系大学院修士課程は当時、数カ所にしかなく、大学院修了を認定要件としたCNSがすぐに増えるような状況ではありませんでした。現場への影響力が限定的なものとなることが懸念されたため、急遽、修士課程を修了していないベテラン看護師に短期間の教育を受けてもらいCNとして処遇するCN制度を設けました。

――CNの人数は増え続け、CNS数を大きく上回っています。

井部 現在、CNSは約1000人、CNは約1万2000人になりました。CNは、実務経験が通算5年以上(うち特定分野の実務研修が3年以上)あり、6カ月以上で615時間以上の教育期間を終えれば取得でき、試験に落ちない限り増え続けます。CNとCNSの人数の開きは10倍近くになりました。

――CNには制度上の問題もあるのでしょうか。

井部 CNには21の特定分野がありますが、特定分野の開発に明確なビジョンが伴っていないと感じています。分野の新設に当たっては、日本看護協会の理事会で、「熟練した看護技術および知識を要する看護分野である」と認められることが条件ですが、現実には学会などの先導で新たな分野をどんどん立ち上げられます。

 一方のCNSの特定分野は、11分野にとどまります。新たな分野を立ち上げるには、看護専門分野の教育課程が現存し大学院等で実施されているといった学問的裏付けも必要となり、高いハードルが設けられています。

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