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医療従事者でなくてもワクチンを打てる英国

2021/07/16
ピネガー由紀

“Registered Nurse are not injecting patients at mass Covid injection centre. Vaccinators are non-health care professionals.”
(新型コロナワクチンの大規模接種会場では、正看護師は患者への注射はしません。注射を打つのは非医療従事者になります)。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種のアルバイトに応募した私は、オリエンテーションでこう説明され、椅子からずり落ちそうになった。非医療従事者がワクチンを打つ? いったい誰が? そう思っているところに、続けてこんな説明が流れた。

「当会場では、キャビンアテンダント(CA)、保育園の先生、サッカーのコーチなどが注射打ちとして活躍をしてくれています」

 コロナウイルスの変異株が相次いで見つかり、最も新しいものではデルタ株(インドで最初に見つかった変異株)が脅威となっている英国では、ワクチン接種のスピードアップが必須となった。そこで編み出されたのが、CAや保育士、スポーツコーチなどの非医療従事者をワクチンの打ち手(vaccinator)として登用する「英国モデル」だ。今回は「やすい、はやい、安全」を実現させている英国モデルについて、メリットと問題点を紹介してみよう。

著者プロフィール

ピネガー由紀(英国正看護師、フリーランス医療通訳)●ぴねがー ゆき氏。2013年、英国マンチェスター大学看護学部卒。公営の急性期病院(NHS病院)の正看護師として、主に外科部門で病棟、手術前アセスメント、入院管理、学生指導などを担当。2015年よりフリーランス医療通訳としても活動を開始。2020年4月より新型コロナウイルス感染病棟に勤務。ツイッターで情報発信中。YouTubeでも医療英語やイギリスの看護師、連載中に出てくる英文を紹介します。

連載の紹介

ピネガー由紀の「英国NHS看護師の現場ルポ」
母国語同士でも要注意!「病院の言葉」の分かりにくさは、洋の東西を問わない──。英国の公的病院(NHS病院)で看護師として働く傍ら、医療通訳としても活躍している著者が、医療現場でよく使われる英語のフレーズを切り口に英国医療の今を伝えます。

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