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英国ナースが学生時代に看護技術を習わない理由

2021/01/12
ピネガー由紀

 2020年12月上旬、私は勤務先の病院で実施されるオンライン試験の1つに合格した。「Venepuncture and cannulation blended course(採血とルート確保の混合コース)」。採血と静脈ルート確保を初めて習う看護師用の学科試験だ。これでようやく、実技研修会に参加できる。

 つまり、私は看護師8年目にして、初めて採血とルート確保を習う。ルート確保はともかく採血に関しては「ええっ? 看護師8年目まで何をしてきたの?」「そもそも看護学生のうちに習うものではないの?」と言う声が聞こえてきそうだが、私は一度も習ったことがない。なぜか? それは、英国でこれらの看護技術は看護師免許の取得にも、看護学部の卒業にも必須ではなく、できれば便利、という程度のものとみなされているからだ。

 それでは、英国で看護師として働く上で必須の技能とは何だろうか? 今回は、英国で看護学生のうちから訓練が始まる、おそらく日本人看護師には苦手な、ある必須技能について書いてみる。

著者プロフィール

ピネガー由紀(英国正看護師、フリーランス医療通訳)●ぴねがー ゆき氏。2013年、英国マンチェスター大学看護学部卒。公営の急性期病院(NHS病院)の正看護師として、主に外科部門で病棟、手術前アセスメント、入院管理、学生指導などを担当。2015年よりフリーランス医療通訳としても活動を開始。2020年4月より新型コロナウイルス感染病棟に勤務。ツイッターで情報発信中。YouTubeでも医療英語やイギリスの看護師、連載中に出てくる英文を紹介します。

連載の紹介

ピネガー由紀の「英国NHS看護師の現場ルポ」
母国語同士でも要注意!「病院の言葉」の分かりにくさは、洋の東西を問わない──。英国の公的病院(NHS病院)で看護師として働く傍ら、医療通訳としても活躍している著者が、医療現場でよく使われる英語のフレーズを切り口に英国医療の今を伝えます。

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