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自殺未遂の救命

2014/10/22

 皆さんこんにちは。気温が下がってきて朝晩は肌寒い日が多くなってきました。体調を崩したりしていませんか?

 さて、今回は救命とは切っても切れない「自殺未遂の救命治療の現状」についてお話したいと思います。

 三次救急には大量服薬をメーンに、自殺未遂の患者が多く搬送されます。バイタルサインが安定していても、飲んだ錠数が三次選定基準に当てはまれば、救命救急センターに搬送依頼があります。自殺未遂患者の対応をしているがために、不慮の病・事故にあった患者を断らざるを得ないこともあります。

 私は、救命救急センターに勤務するようになって自殺未遂の患者に接し、その多さに驚いています。そして、自殺未遂の患者の治療に対する疑問と、患者自身への怒りを強く感じるようになりました。自殺未遂患者に私が最も怒りを感じた、今でも忘れられない症例を紹介します。

 20歳代女性(当時)。自殺目的で肘部をカミソリで切る。切創は深く、動脈損傷があり、神経損傷の疑いがあったため緊急手術を施行することになりました。術後、鎮痛薬は投与されていましたが、それでも強い疼痛を訴え、医師の指示に則り疼痛コントロールをしていました。そんな彼女の手術当日の夜、彼女の隣に緊急患者の入院がありました。

 生後6カ月男児。実父の虐待による心肺停止蘇生後の患児でした。医者たちは循環動態が不安定な児の処置にかかりきり。もちろん看護師だって必死にその児の処置・看護にあたりました。「何の罪もないこの子のために。なんとか助かりますように!」との一心でした。

 そんな最中、彼女が大騒ぎし始めました。術後の疼痛と、スタッフが自分の所に来る時間が減少したためでした。疼痛に関しては、持続の鎮痛薬投与に加え、疼痛時指示の鎮痛薬の投与をしたばかりでした。彼女の訴えは「こんなに痛いのに何もしてくれない」「こんなに私は辛いのにだれも来てくれない」というものでした。

 皆さんだったらこういったシチュエーションの時、どのように感じますか?

著者プロフィール

中村雪子氏●なかむら ゆきこ氏。看護師歴15年のアラフォーナース。地元の看護学校卒業後、総合病院外科系病棟に就職。その後、急性期看護を極めるため、救命救急センターのある現在の病院に転職。

連載の紹介

中村雪子の「ナースな日々」
救命救急センターでスタッフナースとして働く中村雪子氏(ペンネーム)が、仕事の話題からプライベートに関することまで、“ナースな日々”を綴ります。

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