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人材紹介会社の担当者、本当に信頼できる?

2018/04/06
加納一樹(ハイズ株式会社 コンサルタント)

 転職を考える際、皆さんはどのように情報収集しますか? 先輩や友人に聞く、インターネットで調べるなど、様々な方法があります。希望の医療施設に自ら直接問い合わせ、積極的に情報収集している方もいるかもしれません。しかしながら、多くの看護師さんは多忙で、「自分で情報収集する時間なんてない」のが実情でしょう。したがって、転職を考える際に、民間の人材紹介会社の利用を検討する方は多いのではないでしょうか。

 「平成25年度 看護職の職業紹介等の実態に関する報告書」によれば、求職中に人材紹介会社を利用した看護師さんの割合は5割程度と報告されています。実際、インターネットで「看護師 転職」と検索すると、多数の人材紹介会社の転職サイトが上位に表示されます。「看護師さんが多忙であること」「多くの転職サイトがインターネット上で表示されること」に鑑みると、転職を考えている看護師さんの約半数が人材紹介会社を利用するというデータにもうなずけます。

人材紹介会社を利用する2つのメリット
 人材紹介会社のビジネスモデルは、求職側(看護師など)ではなく求人側(医療施設など)からお金をもらい受けるものです。看護師さんであれば希望の医療施設へ入職した時点で、その医療施設から人材紹介会社へ紹介費用が支払われます。

 平成26年度に厚生労働省が発表した「医師・看護師に係る職業紹介に関するアンケート調査結果」によれば、医療施設の看護師採用経路はハローワークが最も多く、それに次ぐのが人材紹介会社だと報告されています。多くの医療施設は看護師採用に頭を悩ませており、「お金を支払ってまで採用したい」のが本音でしょう。こうした状況の中で、看護師さんが人材紹介会社を利用するメリットは、大きくは次の2つがあります。

1.時間がない中でもスムーズに転職活動ができる
 看護師さんが希望の条件を伝えることで、人材紹介会社は希望に沿った求人を本人の代わりに探してくれます。また、見学のセッティング、面接日程の調整、給料など条件面の交渉、入職に関する手続きといった多くのことを補助・代行してくれるので、働きながらでも転職活動ができます。

2.豊富な情報の提供が受けられる
 自分でインターネットから探すよりも、多くの情報を入手できます。同じ人材紹介会社を通して、自分が希望する医療施設に入職した看護師さんの生の声が聞ける点も魅力の一つです

 一方で、「ひどい目に遭わされた」と、人材紹介会社に対してネガティブなイメージを持っている方も少なくないでしょう。「しつこく電話をしてくる」「しきりに転職を促される」など人材紹介会社への不満を耳にすることも多々あります。また、「聞いていた条件と違った」という入職後のミスマッチングを訴える声も少なくありません。

 とはいえ、自分で探す時間がない場合や、すぐにでも就職したい場合など、どうしても人材紹介会社を利用せざる得ないこともあるかと思います。そのときに失敗したくない看護師さんへ向けて、人材紹介会社を上手に利用するための2つのポイントをお伝えします。

人材紹介会社への賢い向き合い方
Point1:「疑いの目」を持つこと
 1つ目のポイントは、「疑いの目」を持つことです。その理由は、人材紹介会社が伝えてくる情報が、必ずしも正しいとは限らないからです。一例を挙げましょう。看護師さん側から「○○病院の求人を探してください」と施設を指定して人材紹介会社に依頼するケースもありますが、人材紹介会社から「○○病院の募集はありません」と言われてあきらめてしまう方がいます。

 しかし、採用に困っていない医療施設は、余計なコストをかけてまで人材紹介会社経由で看護師さんを採らないことがあります。その場合でも、看護師さん自ら問い合わせたら、直接応募のみ受け付けていることが分かったというケースがあるのです。したがって、人材紹介会社から「○○病院の募集はありません」と言われた場合、「人材紹介会社経由での募集がないのか。それとも、本当に募集がないのか」という「疑いの目」を持ち、自ら希望施設へ問い合わせる姿勢が大切です。

著者プロフィール

加納一樹(かのう かずき)◎ハイズ株式会社 コンサルタント。2011年高知大学農学部卒業。2013年茨城大学大学院農学研究科修了。医療コンサルタントとして人的資源の視点から医療機関経営の再建に携わる。前職の大手人材紹介会社では、看護師専門のキャリアアドバイザーとして、1000人以上の転職面談やキャリア相談に従事。

連載の紹介

看護師キャリアの曲がり角
看護師の働き方は「無限大」です。キャリア迷子になっている人も、視野を広げて様々な可能性に気づくことができれば、その後の人生が変わります。本連載では、豊富な相談実績を持つキャリアアドバイザーの筆者が、具体的な事例を交えながら、看護師が自らのキャリアを選び取っていくために必要な思考と行動のヒントを伝えます。

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