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あなたの幸せの根っこはどこにありますか?

2018/02/01
加納一樹(ハイズ株式会社 コンサルタント)

 皆様、初めまして。ハイズ株式会社の加納一樹と申します。現在は医療経営コンサルタントとして、医療現場の「ヒト」に関する課題を解決する活動を行っています。また、看護師のキャリアアドバイザーとして、年間約1000人以上の看護師さんのキャリアに関するお悩み相談を受けてきました。同時に、志の高い看護師さんが日々の業務負荷や職場の人間関係ストレスにより、バーンアウトするケースも多く見てきました。

 この連載では、多くの看護師さんが抱えるキャリアや生き方に関する悩みに対して、私の実体験をもとに「考え方のヒント」を伝えていきたいと思います。連載を通して、看護師さんの「ステキ」をたくさん創っていけたらうれしいです。

あなたは今、幸せですか?
 これまで私が看護師さんから受けてきた相談で最も多いのは、「自分のやりたいことが分からなくなった」というものです。看護学生のころは大きな夢を持っていたはずなのに、多忙な日々に追われるうち、いつしか「看護ではなく業務」をこなしている自分に嫌気が差したという話をよく耳にしてきました。

 看護師さんの多くは入職3年目以降でキャリアに迷い、「私が本当にやりたいことは何だろう?」「私がやりたい看護とは違った」という壁にぶつかるのです。そうしたとき、私は必ずこう質問をします。

 「あなたの幸せ(HAPPY)って何ですか?」

 この質問に即答できる看護師さんは少なく、考え込んでしまう人が大半です。日々、「どうすれば患者さんが良くなるか?」と他人の幸せを考えているにもかかわらず、自分の幸せについては十分に向き合えていない人が多いのです。多忙のあまり、考える余裕がないのかもしれません。

 キャリアに迷って転職しようと考えても、幸せという「自分の根っこ」を考えることなしに、給料、残業時間、福利厚生などの待遇面を考えるだけでは、理想の職場には出合えません。私の経験上、待遇のみを考えて転職した人が、新たな職場で「思っていた環境と違う」となって、再び転職活動を始めるケースをたくさん目にしてきました。これは新たな職場が「自分の根っこ」とミスマッチだったからにほかなりません。といっても、自分の幸せを考えることはそう簡単ではありませんよね。自分自身と向き合うことは非常に難しく、労力がかかる作業です。先の質問に即答できない人が多いのも無理からぬことです。

「自分の根っこ」を探す方法
 では、どうすればいいのでしょうか。まずは「自分と向き合う時間を作る」ことがスタートになります。自分と向き合うためには、「自分の頭の中を整理する」ことが必要です。その具体的な方法として、様々な角度からの質問を自身に問いかけ、その答えをできるだけ多く紙に書き出してみましょう。例えば、こんな質問です。

 Q.今までの経験で、どういうときに幸せを感じた?
 Q.今までの経験で、どういうことが嫌だと感じた?
 Q.なぜ、看護師になろうと思った?

 人間、自分の頭の中だけで情報を整理するには限界があります。考えの最中にいろいろな思い出や雑念が入ってくるからです。そこで、実際に自分の頭の中で考えていることを紙に書き出し、頭の中から分離する「見える化」が効果的です。もっとじっくり取り組みたい人は、生まれてから今までの人生を振り返る自分史を作る方法もお勧めです。

著者プロフィール

加納一樹(かのう かずき)◎ハイズ株式会社 コンサルタント。2011年高知大学農学部卒業。2013年茨城大学大学院農学研究科修了。医療コンサルタントとして人的資源の視点から医療機関経営の再建に携わる。前職の大手人材紹介会社では、看護師専門のキャリアアドバイザーとして、1000人以上の転職面談やキャリア相談に従事。

連載の紹介

看護師キャリアの曲がり角
看護師の働き方は「無限大」です。キャリア迷子になっている人も、視野を広げて様々な可能性に気づくことができれば、その後の人生が変わります。本連載では、豊富な相談実績を持つキャリアアドバイザーの筆者が、具体的な事例を交えながら、看護師が自らのキャリアを選び取っていくために必要な思考と行動のヒントを伝えます。

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