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スマホと看護のいい関係

2015/03/09
前田樹海

写真 かかりつけの病院に掲示されていたポスター

お久しぶりです。

 かかりつけの病院に、こんなポスターが掲示されていた(写真)。携帯電話の通話可能エリアが拡大したことを告げるポスターには、使用できる場所として「玄関ホール」「各科外来待合い」「各階のエレベーターホール」「病棟デイルーム」などがラインナップされている。

 以前、この病院の中では、ごく限られた場所でしか携帯電話を使用できなかった。というか、電源OFFがデフォルトだったことを考えると、格段の進歩である。いやもうこれは大盤振る舞いと言ってもいいレベルだ。

 そうは言っても、この病院が最近になって医療用電子機器の使用をやめたとか、携帯電話特区として認められたとかそういう話ではなくて、総務省のウェブサイトでも紹介されている通り、昨年8月19日に電波環境協議会が公表した「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」に基づく措置である。

 指針いわく、「患者の利便性・生活の質の向上のためには、医療機関においても患者や面会者等(中略)の携帯電話端末の使用は、可能な限り認められることが望ましい」とした上で「第二世代の携帯電話サービスの廃止、医療機器の電磁的耐性に関する性能の向上等」を背景として従来の規制の緩和を図ったもので、日経メディカルの記事「病院内での携帯電話利用の規制が大幅緩和(2014年8月21日)」等で大々的に報じられた通り。

 この措置に関連してネット検索しているうちに、意外な事実が判明した。2014年5月17日付けのJ-CAST NEWSが報じた「携帯電話の使用制限が大幅緩和 医療機関、航空機内でも使えるように」と題する記事の中で、医療機関におけるこれまでの携帯電話の使用制限には「強制力はなく、アドバイスや参考情報の扱いになっている」というのが総務省総合通信基盤局の見解だったとのこと。

 つまり、病院等において従来、携帯電話の使用が禁止されていたのは、法的な規制ではなく、あくまで自粛レベルのローカルルールだったというのがことの真相だったわけで、自分も知らず知らずのうちに全国ルールだと思い込まされていたこと自体に驚いた次第。

著者プロフィール

前田樹海(東京有明医療大看護学部教授)●まえだ じゅかい氏。1989年東大医学部保健学科卒。97年同大大学院修士課程修了。2004年長野県看護大大学院博士後期課程修了。同大講師、准教授を経て、09年より現職。看護師、保健師。

連載の紹介

前田樹海の「看護界ウォッチ」
看護大学で看護情報学(参照 「わたし情報処理は苦手ですって看護師として痛いだろう?」)を教える傍ら、ホームページ 「看護系大学ホームページに聞け」の管理人として、増え続ける看護大学の動向や看護系学会のトピックスをウォッチしてきた前田氏が、Aナーシングに登場。医療界・看護界の旬の話題に鋭く切り込みます。

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