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第二の人生、「働きたいと思える病院」の探し方

2019/05/24
看護のお仕事

Yさんは、現在59歳の男性看護師。
もともとは一般企業にお勤めでしたが、
20年程前、奥さんの勧めで
正看護師の資格を取られた方でした。

正看護師となったYさんは、
精神科の病棟と重症心身障害者施設を
それぞれ10年ずつ経験されました。

60歳の定年を目前に、施設を退職されたYさん。
「実は、海外に移住する予定だったんです。
 知り合いのツテで、
 住む場所も仕事も決まっていました。
 でも、その国の情勢が不安定で
 移住が難しくなってしまって……」

改めて就職活動を始めたものの、
気持ちは新しい人生に向かっていたYさんは、
これからどんな病院で働きたいのか、
自分の希望条件なども思いつかないようでした。

それでもお話しするうちに、
「人との関わりが深い仕事がしたい」
とおっしゃいました。

それなら、忙しく患者さんが入れ替わる急性期病棟より、
人との深いコミュニケーションが必要とされ、
Yさんの経験も生かせる精神病棟がよいのではないかと思い、
精神病棟のある病院をご提案することにしました。

Yさんも、「10年前に勤務していた精神科と比べて
現在の精神医療がどう変化しているか知りたい」と
興味を持ってくださいました。


そこまではスムーズに話が進んだのですが、
精神医療に強く、最新設備などを備え、
通勤も1時間圏内の病院を幾つかご提案しても、
Yさんは行きたいと思う病院を見つけられませんでした。

「なんだかワガママ言って、すいません。
 でも、自分がそこで働くイメージが湧かないんです」

Yさんは申し訳なさそうにしています。

“Yさんのイメージ”
この転職のキーはそこにあるような気がしました。

そこで、Yさんという人を知るために、
病院の話以外にも、
たくさんのお話をさせていただきました。

Yさんは知れば知るほど面白い方でした。
好奇心が強く、気になったものはしっかり勉強して、
たくさんの資格も持っていらっしゃいました。

本当は、海外に移住したら
日本語教師になるつもりだったそうです。
移住する予定だった国は、美術館が多く、
海がきれいで、雄大な山々に囲まれているとのこと。
休日にはそんな町並みを散策するのを
楽しみにしていたのだそうです。

──そうか、もしかしたら、Yさんの中には
「移住する」というイメージが
今もまだ強く残っているのではないだろうか。

それなら、通勤時間などにこだわらず
もっと広い視野で病院を探してもよいのではないか、
と思いました。

そこで全国の中で、
山と海が近く、
美術館なども多くあるような町を考えてみました。

──そうだ、兵庫県の神戸や神奈川県の横浜、
北海道の小樽はどうだろう。
古くから栄えている港町で、海が近く山もあり、
小さなギャラリーなどが点在している。

そこで、その3つの地域に絞り、
最新の設備などを整えた精神病棟のある病院を探して、
幾つか提案してみました。

するとYさんは顔を輝かせ、
「そうだ、こういうイメージだ!
 どうしてわかったんですか!?」
と大変、喜んでくださいました。

連載の紹介

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病院での人間関係、仕事と家庭との両立、患者さんとのコミュニケーションなど、看護師が抱えるキャリアの悩みをエピソード形式で紹介。「ナースときどき女子」「ハテナース」を運営する転職サービス「看護のお仕事」からお届けします。
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