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またここから、始めればいいんです

2019/03/15
看護のお仕事

新卒で入った病院を3カ月で辞めてしまったGさんは、
「施設看護希望」で
転職サイトにご登録くださいました。

初めてお話しさせていただいたとき、
「高齢看護をやっていきたいんだから、
 急性期である必要はないですよね?」
と、ちょっと強い口調でおっしゃったGさん。

もしかして、Gさんは
「まだ看護師になったばかりなのだから、
 急性期経験を積んでからの方がいい」と
あちこちで言われていらっしゃったのかな、
と感じました。

そこで前職のことをうかがってみると、
残業が20時を越え、体力的な限界も感じていた上に
医療行為に自信がなく、
キツイ指導のせいでミスをして怒られ、
ヤル気をなくしてしまった、
と話してくださいました。

「施設だったら医療行為があまりないじゃないですか」
と言うGさんは、
反論されることに身構えているようでした。

そんなGさんに、
まずは本心を話してくださったお礼を言い、
それから、
「施設看護は難しいかもしれません」
ということを、できるだけ丁寧に話しました。

施設では医師が常にいるわけではないので、
不測の事態が起こった場合、
看護師の的確な判断と対応が求められます。
先輩看護師がいつもいてくれるわけでもありません。
ある程度の臨床経験がないと、
採用自体、難しいのが現状です。

それを分かった上で、
「それでも施設看護をやりたい」
という気持ちがあるのならばもちろん応援します、
とお伝えしました。

また、前職が「合っていなかった」と感じるのなら、
同じ急性期でも、
今の病院とは違う環境は色々あると、
幾つかの求人をご提案してみました。

するとGさんは、
「急性期だと、また辞めたくなると思う……」
と不安そうなご様子になりました。

Gさんの問題は、
自分が自分を信じられていないところではないか。
このままではどこへ転職しても
長く続けていくのは難しいかもしれない、
と思いました。

そこで、
「まずは『自分はダメなんだ』と責めるのをやめて、
 『その職場には合わなかった』と考えてみませんか?」
と言ってみたのです。

するとGさんは、
「新卒1年未満で逃げる自分が許せないです。
 親に申し訳なくて……」
と言うと同時に泣き出してしまいました。

Gさんの不安定な感情の変化が気になり、
日ごろの調子などをうかがってみると、
嘔吐や幻聴などに悩まされていたというのです。
一度、心療内科へ行くことをお勧めすると、
「親に申し訳ない」と
Gさんはまた泣き出してしまいました。

その後、心療内科へ行かれたGさんは、
適応障害の診断を受けました。
Gさんは、ご実家暮らしだったので、
可能なら休養を取ってみた方がよいのでは
とお話ししましたが、
「新卒でブランクが空くのが怖い」
と、転職を強く希望。

そこで、非常勤で入れる19床の有床診療所を提案。
Gさんのお母さまくらいの年代の看護師が多く、
院全体でフォローしてくれる雰囲気があるところです。

Gさんは「とりあえず、ブランクが空かないなら」と
非常勤で入職されました。

「新卒で非常勤なんて……」と
まだ自分を責め続けるGさんに、
「Gさん、ダメだと思ったら、
 またそこから始めればいいんですよ。
 それは逃げるわけじゃなくて、リスタートです」
とお伝えしました。

連載の紹介

キャリアお悩み相談室
病院での人間関係、仕事と家庭との両立、患者さんとのコミュニケーションなど、看護師が抱えるキャリアの悩みをエピソード形式で紹介。「ナースときどき女子」「ハテナース」を運営する転職サービス「看護のお仕事」からお届けします。
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