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発表!感染症業界の流行語大賞2016

2016/12/16
忽那賢志(国立国際医療研究センター国際感染症センター)

 国立国際医療研究センター国際感染症センターの忽那(くつな)です。この連載は複雑に入り組んだ感染症診療に鋭いメスを入れ、様々な謎や疑問を徹底的に究明するものです。

 「あ、まだやってたんだ、この連載」。そう思った読者も多いことでしょう。そうなんです、まだやってたんです。自分でもまだやってるのか分からなくなっていましたが、まだやってるはずです!一応、月2回掲載ということで始めた本連載ですが、今年の連載本数は…5本ですか…われながらひどいもんですな…。編集担当のFさんからしょっちゅう「原稿お待ちしております!」というメールを頂きます。最初は「うわー、やばい。早く書かないと」と心にさざなみが立っていたのですが、最近は「まだ大丈夫だ…」と心の平静を保つことができるようになりました。もう、無風よ。これもひとえにFさんのおかげだと感謝しております。

 ちゅーか、なんでそんなに原稿を書かないのかって、そりゃモチベーションの問題ですよね。この原稿、1回書いていくらもらってると思いますか。実はこう見えてもこの連載、半日くらいかけて書いてるわけですけど、もう、割に合わないって。時給いくらなんだって話ですよ。もちろん、お金のためだけに連載してるわけじゃないんですけどね。優先順位的にはどうしても後回しになっちゃうっていうか。

 そんなわけでついつい筆が進まなかったんですが、ついに解決策を見つけました!そう、1時間で書いちゃえばいいじゃんって話ですよ。そしたら結構な時給じゃん?ウヒョー。つーわけで、今からこの原稿1時間以内に書き終えますから。厳密にはここまで7分かかってるので、あと53分で書き終えるから。読者の皆さまもぜひスピード感を楽しみながらお読みいただければと思います。

大賞は「DU(だいたいうんこ)」に決定!
 さっそくですけど、流行語大賞が発表されましたね。年間大賞は「神ってる」、ですか。ふざけんなバカヤローって話ですよ。今年の流行語大賞は誰がどう考えてもオレの「DU(だいたいうんこ)」に決まってんだろって。もう今年はどこ行っても誰も彼もが「DU」って言ってたからね。これ以外にあり得んだろって。試しに「セフェム」「DU」でググってみてくださいよ。もう、すごい引っかかるから。いい大人が皆こぞって真顔で「うんこがどうしたこうした」って言ってるから。どうなってんだこの国はホント。大丈夫か。まあ言い始めたのは僕なんですけどね。でもまあ、DUって言葉が流行ることによって、世間の皆さんが経口第3世代セフェムを処方しにくくなる風潮ができればいいなって、そんなふうに僕は思ってるんですよ。恥ずかしながらそれがオレの夢っていうか。この星の一等賞になりたいのDUで、オレは。そんだけ!(古いですね)※1

 あと、今年は感染症業界では“AMR”って言葉をよく聞きましたね。AMRって何のことかご存じですか。そう、アムラーのことですね。アムラーって安室奈美恵のファンのことで、対義語にシノラー※2ってありますね。こんなくだらんこと書いて字数を稼いでるわけですが、どうですか、皆さん。スピード感を堪能していただいてますでしょうか。もうしょうもないことを書いても決して修正しない、このスピード感。だって1時間で書かないといけないから。

 AMRはantimicrobial resistance、すなわち抗菌薬耐性のことですね。時々、ESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)産生腸内細菌科とか、カルバペネム耐性腸内細菌科とか聞かれると思いますが、これが耐性菌です。抗菌薬の不適切な使用が、耐性菌増加の原因の一つだと言われています。そう、つまりDU処方が耐性菌を生み出しているのですッ!このままだと使える抗菌薬、細菌感染症を治療できる抗菌薬が世の中からなくなっちゃいますよって話です。抗菌薬は限りある資源だから、大事に使わないとダメでしょ!

※1 映画「ピンポン」(原作・松本大洋)のせりふ「この星の一等賞になりたいの卓球で、オレは。そんだけ!」より。
※2 タレント・篠原ともえ氏のファッションや言動に影響を受けたファンのこと。

著者プロフィール

くつな さとし氏●2004年山口大学医学部医学科卒。関門医療センター、市立奈良病院などを経て、2012年から国立国際医療研究センター国際感染症センターに勤務。趣味はお寺巡りとダニ収集。

連載の紹介

忽那賢志の「感染症相談室」
感染症にまつわる臨床現場でのさまざまな謎や疑問を徹底的に究明。複雑に入り組んだ感染症診療に鋭いメスを入れていきます。

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