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体位ドレナージにエビデンスはあるか?

2014/09/01
倉原優

図1 肺の解剖

 ご存知の通り、体位を変換して喀痰排出を容易にするドレナージ方法を体位ドレナージ(postural drainage)といいます。体位ドレナージの効果が発揮されるには少し時間がかかるため、「本当にこれって有効なのだろうか?」と疑問を抱いたことのある看護師さんも多いと思います。

 結論から言うと、呼吸器内科医としての経験から、また近年までの数々の知見から、体位ドレナージは有効であると考えています。私も研修医の頃、同じ質問を指導医にぶつけたことがありますが、このようにおっしゃっていました。

指導医:「うん、有効だよ。肺の下葉に病変がある場合は腹ばいにすることもあるからね」

 ま、まさか腹ばいなんて…と冗談だと思ってその場では笑い飛ばしていましたが、それから数年して腹臥位療法の論文が国際的に認識されるようになるとは夢にも思いませんでした。指導医の先見の明、おそるべし。

体位ドレナージの基本
 体位ドレナージというのは、基本的に「痰がたまっているところを上にして、排水溝の役目を果たす気管支を下にする」方法です。解剖のおさらいをしてみますと、右には3つの葉があり、左には2つの葉があります(図1)。

 例えば、右の上葉に病変があり、喀痰がドンドン出ている状態だとします。その場合、坐位が最も有効なドレナージ体位です(図2)。口まで自然に出てくるわけではなく、主気管支まで落ちて来た痰は上手に喀出してもらう必要があります。

著者プロフィール

くらはら ゆう●2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科に勤務。13年に書籍『「寄り道」呼吸器診療ー呼吸器科医が悩む疑問とエビデンスー』を刊行。現在、日経メディカルで「こちら呼吸器病棟」連載中。

連載の紹介

倉原優の「『寄り道』呼吸器ケア」
「根拠はあるのかな」と”寄り道”して考えることで看護のスキルはアップします。ブログ「呼吸器内科医」でおなじみの著者が、臨床ナースに役立つ知識を発信します。

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