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「助詞抜き言葉」は看護師をむしばむ?

2022/02/23
小林光恵

イラスト:立花 満

 某病棟の看護師長を務める辺見千絵さん(仮名)が、私と食事を共にした際に言いました。

 「うちのスタッフの助詞抜き言葉が、いくら注意しても改善されないんですよね。口頭はおろか、看護記録にも顕著に表れるようになって困りものです。もちろん、全部に助詞を付けなさいということではないですが、誤解を生むなどのリスクがあると思います。

 今日のスタッフの記録をチラッとのぞいただけでも、『失禁見られた』だの『ベッド、移乗』だのという表現が目に付きました。これでは『失禁が見られた』のか『失禁を見られた』のかで違った意味になるし、『ベッドに移乗』なのか『ベッドから移乗』なのか分かりません。

 朝の申し送りでも『〇〇さん、夜間不安訴えありました』という言い方を耳にしました。夜間に不安が出たという訴えなのか、不安があることを夜間に訴えたという意味なのか、分かりにくいですよね。

 こんなことでは次第にスタッフたちの思考にも影響して、ロジカルな議論が苦手になってしまうのではないかと心配です。でも、『今のままでいいじゃない。業務は問題なく行われているんだから』といった開き直りのようなことを陰で言うベテランナースも少なからずおりまして……。

 問題が発生してからでは遅いわけで、今のうちから何とかしておかなければならないと何度も話しているんですが、その言葉が彼らの耳に届いていても、心には届かないようです。何か、彼らの心に響くような言い方はないでしょうか」

連載の紹介

小林光恵の「ほのぼのティータイム」
人気漫画「おたんこナース」の原案者である著者が、医療・介護の現場にまつわる話題から看護師のプライベートな悩みまで、気になるテーマを取り上げます。看護師が日常の中でふと感じる疑問や悩みなどに対して、著者ならではユニークな視点から新たな提案をします。仕事で疲れてホッと一息つきたい時におススメのコラムです。

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