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【最終回】
そういえばどうなった?「特定看護師(仮称)」

2015/06/03
木澤晃代

 2010年から始まった特定看護師(仮称)に関する試行事業は、形を変えながら、「特定行為研修」として昨年度法制化され、本年10月から制度がスタートすることになりました。詳しい内容については、厚生労働省ホームページに紹介されています。ただ、内容は、ちょっと分かりにくいかもしれません。

 「そういえば、特定看護師(仮称)はどうなっちゃったんだろう?」と思う読者も多いかと思います。特定看護師(仮称)という制度はできませんでしたが、医療現場で「特定看護師」と名乗って働いている看護師はいます。かく言う私もその一人です。特定行為を実施するに当たって呼び名がないので、色々考えた挙げ句、特定看護師に落ち着きました。何らかの名称があると、自身の役割意識やアイデンティティーを保つだけでなく、ほかの人から見て区別が付きやすいという利点があります。特定行為研修修了者については厚労省が名簿を管理するそうですが、各施設においても修了者を識別するための工夫が今後必要になると思います。

 この「特定看護師」という名称、意外にも看護学生の間で関心を持たれているようで、先日も看護学生と交流した際、「特定看護師を目指しています」という声をちらほら聞き、驚きました。「認定看護師/専門看護師になりたいです!」と言われることは珍しくないのですが(その前に看護師国家試験ね[苦笑])。当院を見学に訪れた救急看護領域志望の看護師からも、私が特定看護師として働いていることを知ると、「すごいですね!どうやったらなれるんですか?」と目をきらきらさせて羨望の眼差しを向けられます。何か、素敵なことに見えるのでしょうか……。

 ここ数年、道なき道を光も見えないまま転がってきた身ですが、学生や見学者に「現実は、毎日がサバイバルで大変よ~」とは口が裂けても言えないので、静かににっこり笑って「あなたが私くらいの年齢になったら、きっとバリバリ活躍している人がいるでしょうね(と思いたい!)」とお答えしています。ちなみに、「特定看護師」をキーワードにネット検索すると、看護師の求人サイトなんかに「特定看護師になるには」「特定看護師のお仕事」「特定看護師の給与」なんていうのがたくさんヒットします。「特定看護師の給与」なんていうのは、私は興味津々ですが……。

著者プロフィール

木澤晃代氏(筑波メディカルセンター病院看護師長)●きざわ あきよ氏。1997年から筑波メディカルセンター病院勤務。ICU・救急外来勤務を経て、2004年救急看護認定看護師資格取得。08年東京女子医大大学院卒業、急性・重症患者看護専門看護師資格取得。11年特定看護師(仮称)養成施行事業実施課程、12年看護師特定行為・業務試行事業を経て、臨床現場で活躍中。

連載の紹介

木澤晃代の「救命救急の現場から」
特定行為に関わる研修修了者”として救急領域で実践活動を行っている筆者が、臨床現場のさまざまなエピソードを基に、看護業務のあり方、さらには仕事と家庭との両立、専門性の追求といったナースのキャリアに対する想いを綴ります。

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