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“特定看護師”は何をする人?(前編)

2014/01/14
木澤晃代(筑波メディカルセンター病院看護師長)

 昨年末、厚生労働省の会議において「特定行為を行う看護師の研修制度」の制度化に向けた最終案が取りまとめられたようです。3年間の議論を見つめながら業務範囲や業務内容について暗中模索、試行錯誤してきた身としては、何か一つ区切りが付いたような気持ちもしつつ、新たな始まりのような気もします。

 さて今回からは、厚労省が制度化に先がけて現場で実施している「特定看護師(仮称)業務試行事業」「看護師特定行為・業務試行事業」(以下、業務試行事業)について、自施設での取り組みをご紹介します。

 「特定看護師(仮称)養成課程試行事業」(以下、養成試行事業)である、日本看護協会看護研修学校の研修に参加していた2011年、養成試行事業修了後、今度は自分が所属する施設において業務試行事業を行うことを知りました。養成試行事業で身に付けた知識や技術を、現場で業務として実践し、報告するための事業です。

 同事業への参加の可否については、当院の代表理事や病院長などに説明を行い、財団の執行会議で審議することが必要でした。「特定看護師(仮称)はどういうことをするのか?」「医師とどう違うのか?」「実施の責任については施設任せということはどうなのか?」など、個人的には返答できない(というか、当時はだれも説明できませんでしたが…)質問が飛び交い、自分がだんだんと小さくなっていくような感じがしました。

 最終的には、「どのような効果があるのか分からないが、検討材料として実施してみよう」という建設的な結論に至りました。正直なところ厚労省の検討会においてあまり肯定的な議論がなされていない状況でしたので、当施設が本事業に参加する基本的な考え方を議論し共通理解を得て、足元を固めることにしました。

 基本的な考え方は、(1)医療が発展しており、全国調査からも看護師が行っている“医行為”がある、(2)当施設の医師からも患者の利益になるであろうと思われる“医行為”に関しては、看護師に対する実施要請がある。(3)専門性が発展したことで、医師と看護師の業務を補完する役割を担う人材が必要である、(4)看護師のロールモデルと教育的役割の必要がある――というコンセンサスを得ました。そのほか、診療科長会議、看護部会など、組織の管理者への説明を行い、業務試行事業がスタートしました。

著者プロフィール

木澤晃代氏(筑波メディカルセンター病院看護師長)●きざわ あきよ氏。1997年から筑波メディカルセンター病院勤務。ICU・救急外来勤務を経て、2004年救急看護認定看護師資格取得。08年東京女子医大大学院卒業、急性・重症患者看護専門看護師資格取得。11年特定看護師(仮称)養成施行事業実施課程、12年看護師特定行為・業務試行事業を経て、臨床現場で活躍中。

連載の紹介

木澤晃代の「救命救急の現場から」
特定行為に関わる研修修了者”として救急領域で実践活動を行っている筆者が、臨床現場のさまざまなエピソードを基に、看護業務のあり方、さらには仕事と家庭との両立、専門性の追求といったナースのキャリアに対する想いを綴ります。

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