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「目指すべき老衰」を阻むつらい訴えに対応する(3)全身倦怠感
「身の置きどころのなさ」にはこう対応

2017/12/26
平方 眞(愛和病院)

 本連載では、書籍『看取りの技術』の内容の一部を、加筆修正してご紹介します。

 がん患者さんでは、さまざまな要因から倦怠感が生じます。倦怠感は大きく2種類に分けられ、原因のある2次的倦怠感と、特に原因がない1次的倦怠感があります。貧血や感染症、睡眠障害によるもの、がん治療によるもの、薬剤によるものなど2次的な倦怠感の場合には、原因別に適切な治療を行います。

 これらの2次的な倦怠感とは別に、がん終末期ではさまざまな工夫をしても取れない、だるいのに寝ることもできない、身の置きどころのないだるさが現れることがあります。これが1次的倦怠感です。私は、多くの終末期患者さんと向き合う中で、よく経験するこの「身の置きどころのなさ」は、簡単に言うと体と頭の“元気度合い”のズレによるものだと考えるようになりました。

 老衰のようにゆっくり年を取っていく場合なら、体の力が減っていくのに伴って、頭の“元気度合い”も減っていきます(図1)。両者がバランスを保ったまま少しずつ減り、命が続かないレベルに無理なく自然に達するのが、理想的な亡くなり方と言えます。

著者プロフィール

1990年山梨医科大学(現山梨大学)医学部卒業。武蔵野赤十字病院、町立厚岸病院、自治医科大学血液内科を経て、1994年に諏訪中央病院に着任。96年頃から訪問を中心に緩和ケアを開始し、98年に緩和ケア担当医長に就任。2009年から愛和病院副院長。著書に『看取りの技術』(日経BP)がある。

連載の紹介

平方眞の「看取りの技術」
国内に数少ない緩和ケア専門病院で副院長を務める筆者が、これまで1500人以上の患者を看取ってきた経験を基に、患者・家族をより良い死へと導くための技を紹介します。癌などの基礎疾患を抱えていても「最期は老衰を目指す」というのが、筆者の診療スタンス。そのノウハウとは——。
著書『看取りの技術』好評販売中

 これまで1500人以上の患者を看取ってきた著者が、患者に納得いく最期を迎えてもらうための“平方流”看取り方を公開。迫り来る「多死社会」を意味あるものにするため、患者を「より良く看取る」ための技と心得を、終末期医療に携わるすべての医療者に向けて伝授する。(平方 眞著、日経BP社、3240円税込)

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