前回まで、統合失調症の長い時間経過の中で繰り返す陽性症状や陰性症状は、あたかも景色のようであるとお話してきました。今回は、景色のように捉えどころのない統合失調症をどのように診断しているのか、そもそもできるのかを見ていきましょう。ここには長年の精神科医の苦闘があり、その成果があるのです。少し専門的な話にはなりますが、細かいところは流し読みで構いませんから、大ざっぱに理解してください 。
まずは世界標準の精神疾患分類マニュアルであるDSM-5(DSMの第5版)の診断基準を見てみます。
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。
著者プロフィール
東 徹(藍野花園病院[精神科単科病院])●ひがし とおる氏。2006年京都大学医学部卒。高知医療センターで臨床初期研修修了。京都大学医学部付属病院、大阪赤十字病院精神神経科などを経て2021年より現職。認知症啓発団体おれんじ畑代表。引きこもり文学大賞、引きこもり絵画大賞も主催している。

連載の紹介
「誰でも分かる看護師のための精神医学入門」
精神科、精神医学に関する入門的な解説をお届けします。専門的、学術的な話よりも現場目線の論点をもとに、ざっくりと理解できることを目標にしています。想定読者は看護師ですが、身体科医師などの医療従事者、看護学生、一般の人まで、誰でも分かるよう、なるべく簡単に解説します。
この連載のバックナンバー
-
2022/08/05
-
2022/07/29
-
2022/07/22
-
2022/07/15
-
2022/07/08