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自宅で最期まで生き切ったトシオさん

イラスト:古村耀子

 ちょうど1年ほど前、本連載の「その人らしさとワガママの境目」で紹介した、お酒とたばこを制限されるのを嫌って、無理を押して自宅での独り暮らしを貫いていた「トシオさん」(81歳・仮名)がお亡くなりになりました。トシオさんは、脳梗塞の後遺症で高次脳機能障害と左半身麻痺があり、次第に独居が難しくなってきたものの、生活保護を受給し、1日3回の訪問介護と週1回の訪問看護を利用しながら不自由ながらも望み通りの生活を送っていました。そして、最期まで自宅で過ごすことができました。

 今となっては「これでよかったのだろうな……」と思えますが、訪問看護師としてトシオさんの生活を支えていた間は、日々迷うことだらけでした。

著者プロフィール

きくまはっか氏●現役訪問看護師。10年の臨床経験ののち、11年の企業健康管理室勤務などを経て、45歳で訪問看護師デビュー。現在は、東京郊外の訪問看護ステーションで非常勤勤務。趣味は4年前に始めた俳句 。訪問中、自転車を漕ぎながら1句ひねることも。東京郊外に夫と猫2匹と暮らす。

連載の紹介

ぐるぐる訪問看護
父を在宅で看取った経験から、45歳で訪問看護師デビューをしたナースが、固くなった頭と身体をフル回転!して、ぐるぐる悩みながらも楽しく働く日々──。訪問先で出会う個性的な患者やその家族、同僚たちが巻き起こす、笑えてほのぼのするエピソードをお届けします。

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