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第12回【最終回】
休職者のスムーズな復帰促す「復職プログラム」運用のコツ

2016/04/07
武用 百子(和歌山県立医大保健看護学部精神看護学准教授、精神看護専門看護師)

 1年間連載してきた本コラムも今回が最終回です。このコラムでは、リエゾンナースとして現場からよく依頼されるケースを基に、看護管理者の方がラインのケアを行う際に必要な知識を紹介してきました。実際の現場では、これらの知識を組み合わせて応用していきます。皆さんが「困った状況」に出会ったときに、対応するための参考にしていただけたら幸いです。

 さて、今回は3次予防としての復職支援について紹介します。前回紹介した通り、病気休暇中のスタッフの復職支援は、以下の(1)~(6)のステップを踏んで進めます。

【復職支援のステップ】
(1)復職のタイミングのアセスメント
(2)精神症状や体力の改善についてのアセスメント
(3)主治医の見立て
(4)復職プログラムの作成(段階的な負荷)
(5)リハビリ勤務
(6)職場でのフォロー体制

 前回は(1)~(3)までを解説しました。今回は残りの(4)~(6)について説明したいと思います。

 (4)の「復職プログラム」とは、職場復帰を支援するための具体的なプランのことで、職場復帰の日程や、就業上の配慮の内容、業務内容や業務量の段階的な拡大、業務サポートの内容などを決めていきます。また(5)の「リハビリ勤務」とは、休職していた看護師の不安を和らげるために正式な病棟への職場復帰の前に“お試し出勤”をさせることです。具体的には、(A)出勤時間に合わせて職場まで通勤してみる(通勤に慣れる)、(B)院内の図書館などで半日過ごしてみる(病院に慣れる)、(C)看護補助員などの業務をし、単独で患者には関わらずに元の部署(病棟)で過ごしてみる(病棟に慣れる)――といったことを行います。

3カ月の病気休暇後の復職プログラムの作成
 復職プログラムでは、週1回半日のリハビリ出勤からスタートし、残業なしの8時間勤務をゴールとした3カ月間のプログラムに沿って、段階的に日数や業務量を拡大していきます。その間は、本人、メンタルヘルス支援者、看護部、所属の看護管理者で定期的に評価してステップアップを図ります。

 前回登場したAさんは、抑うつ状態で病気休暇を3カ月取得し、復職に対する不安を訴えていました。仮にAさんを「2年目を迎えたばかりで、5月から病気休暇を3カ月間取得しているスタッフ」としましょう。復職プログラムは表1のようになります。

著者プロフィール

武用百子(和歌山県立医大保健看護学部精神看護学准教授、精神看護専門看護師)●ぶよう ももこ氏。1991年北里大看護学部卒業。北里大病院、日本赤十字社和歌山医療センターを経て、2000年兵庫県立大大学院修了。和歌山県立医科大附属病院でリエゾンナースとして勤めた後、08年から和歌山県立医大保健看護学部精神看護学講師、15年から現職。

連載の紹介

看護主任・師長のための「職場のメンタルヘルス支援ガイド」
メンタルヘルスに不調を抱えたスタッフを、管理職はどう支援していけばよいのか。一人でも多くの看護師が、辞めずに元気に働き続けられることを願って、リエゾンナースがサポートに必要な知識をお届けします。

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