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時間外労働のモンダイ(2)
「彼氏とデート」を理由に時間外労働を断れる?

2018/01/30
阿毛裕理(株式会社AAパートナーズ、社会保険労務士武田事務所)

【事例】
 今年度入職した新人看護師のAさんは、ようやく独り立ちして受け持ち患者も少しずつ増えてきたところ。最初は何をするにも時間がかかってしまうのは仕方ないけれど、始業時間の8時に出勤後、通常の業務終了時間である17時を超えて毎日の退勤が20時近くとなっています。毎日3時間の超過勤務です。同時刻に始業した先輩看護師は18時までには退勤しており、月の平均残業時間も20時間以内におさまっています。
 病棟の人員的な問題もあり、何としても例年の教育計画通りの成長を遂げてもらいたいところです。ここが新人看護師にとって最初の越えるべき壁の一つでもあり、あまり抱える業務量を減らすような介入もしたくないと、Aさんの上司(看護師長)は考えています。
 そうした中、看護部長から師長へ1本の電話。「そちらの病棟のAさん、残業がとても多いと新人教育担当者から聞いたけれど。あまり残業が多いと監査が入ったときに指摘されそうなのよね。なんとかできないかしら」
 看護部長からの指摘はごもっともだと、師長は思いました。でも、もう少し慣れてくれば徐々に要領もよくなってくるだろうから、あと1カ月も頑張ってくれれば他の看護師と同じくらいの時間には退勤できるようになるはず。Aさんは分からないことを調べながら仕事をして余計に時間がかかっているため、自宅でできることは自宅でやるように促してもいいかもしれない。しかし、それを求めていいものか悩ましいところでした。

著者プロフィール

あもう ゆり氏●2007年、宮城大学看護学部卒業。看護師・保健師資格取得後、仙台厚生病院心臓血管センター循環器内科へ入職し、一般病棟およびHCUで勤務。2013年、行政書士資格取得。2014年、あもうコンサルティングオフィスを開設。2015年、株式会社AAパートナーズおよび行政書士AA法務事務所を設立。主に看護管理者向けの研修講師を務める機会も多い。

連載の紹介

ナースのためのアモーレ労働相談
「感情労働」とも言われる看護の仕事を全うするには、看護師自身が心身ともに健康でなければなりません。そのためには、個々のスタッフや管理者が協力して健全な労働環境を作っていく必要があります。本連載では、看護師として臨床を経験後、行政書士として独立した筆者が、自身の経験も交えながら、快適な職場環境を維持するための法律知識を解説します。

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