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ミカンの過剰摂取は身体にいい?悪い?

2015/12/03
安部 正敏(札幌皮膚科クリニック、褥瘡・創傷治癒研究所)

 何とも痛ましい事件である。11月13日に発生したパリの同時多発テロは世界に衝撃を与えた。一般市民が標的になる愚行はいかなる理由があろうとも許されぬものであるが、我が国もサミットやオリンピックを控えており、対岸の火事では済まされない。

 この事件を詳しく述べるのは、本エッセーには馴染まぬのだが、何故取り上げたかといえば、報道で「肌の色の違い」という言葉が少なからず見られたためである。

 確かに我が国はグローバルな時代を迎え、様々な国と地域から人々が訪れている。コンビニやファストフードのスタッフが海外の方であることも日常の光景となり、“肌の色の異なる”人物から「恐れ入ります。大変申し訳ございませんが、今品切れとなっております」などと言われるとかえって恐縮してしまう。いっその事「売切れです。申し訳ないが、覆水盆に還らずとはこのことですな…。まあ、待てば海路の日和ありですよ……」など、微妙に間違ったことわざなどを使用してほしいものである。

 肌の色は主としてメラニンの量で決まるが、それ以外にも血流やカロチン、ビリルビンで決定する。メラニンは、表皮基底層に存在するメラノサイトが産生する色素であり、女性であればいわゆる“シミ”として、忌み嫌われるものである。しかし、何事にも理由があるものであり、これは紫外線による皮膚癌発症を阻止しようという重要な生理機能なのである。

著者プロフィール

安部正敏(医療法人廣仁会札幌皮膚科クリニック副院長、褥瘡・創傷治癒研究所)●あべ まさとし氏。1993年群馬大学医学部卒。同大皮膚科入局。米テキサス大サウスウェスタンメディカルセンター細胞生物学部門研究員、群馬大皮膚科講師などを経て、2013年から現職。近年エッセー連載も多数。

連載の紹介

安部正敏の「肌と皮膚の隅で」
看護師が日常的に遭遇する皮膚疾患をテーマに、病態のメカニズムや治療の最新知見、スキンケアのピットフォールなどを解説するエッセー。看護師向けセミナーや書籍などで大人気の安部正敏医師が、分かりやすくレクチャーします。

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