
前回、アクセスランキング上位入賞を目指し、かなりの時間をかけて原稿を書いた。しかし、結果は芳しくなく、むしろランキングなんぞ何ら気にせず書いていた初期の方が上位であった有様である。編集部からは、「もっと短文にされたし!」などのアドバイスが舞い込む始末。
もっとも、悪魔のごとき直感で、編集部が既に本連載の中止を検討している様子であることは「ズバッとお見通しだ!(この文章は是非、仲間由紀恵さん口調で読んで頂きたい!)」。とはいえ、何せ筆者は既に日本経済新聞の愛読者であるため、切るに切れないのであろう。
しかし、編集部のアドバイスはごもっともである。そもそも、読者には暇人など皆無であり、忙しい仕事の合間に本ページに訪れるわけである。さような時に前回のように何ページにもわたる駄文を読まされては、他人に本稿を勧めるどころか、あまりの時間の浪費にフンガイし二度とこの連載を読もうとは思わぬであろう。
筆者もネット上の情報は長いものは好まぬ。そもそも本連載をするまでは、インターネット上に数多ある情報の書き手のことなど想像だにしなかったのであるが、考えてみればどんな記事にもライターが存在するわけでご苦労なことである。
そこで、今回から初心に戻りアクセスランキングなんぞどこ吹く風というスタンスで執筆することにする。所詮筆者に『火花』などは逆立ちしても書けぬので、案外短文の方が喜ばれるかと思い、長さも従来の半分程度に抑えることとした。
もっとも、これまである程度のボリュームを書いていたのは、インターネット記事という特殊性で字数制限がなかったためであり、少しでも長く書いた方がコンテンツが増えてよいのかという筆者の愚考をもって編集部に敬意を表していた事実も少しは同情して頂ければありがたい。
筆者は医学雑誌にも連載を持っているが、そちらは紙媒体であるため、厳密な文字制限がある。ただ、その場合強調すべきことが制限される場合もあり、どちらがいいと一概には言えない。短文の方が短時間で終わるかと言えばさにあらず、長文の方がむしろ筆がのることもある。
偽物であるが、あえてプロの作家ごとき発言をお許しいただければ、原稿執筆が行き詰ることもあり、生まれてこの方タバコを一度も吸ったことがない筆者はイライラ感が募ることもしばしばである。