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「乾癬」は「感染」しません!

2015/06/24
安部正敏

 本連載は一体どれくらいの皆様にご覧いただいているのであろうか?正直なところ、本連載は紙媒体ではないウェブ記事であるし、暇潰しに数人が見ていただければ、編集部は激怒しようが著者としては御の字であると考えていた。

 プロの作家であれば、可能な限り大勢の読者を得なければならぬのであろうが、こちらはニセエッセイストである。いかめしい皮膚科学の記事などウェブでは誰も読んでくれぬであろうし、そもそも学術的内容を掲載したいのであれば、よりによって編集部が著者を指名するわけはない。何せ素人ながらエッセー連載を複数抱える身であり、まあ皮膚科学を煙たく思うナースが少しでも減れば……程度の思いを込めつつ、過去2回はさほど本連載の意味を重く考えず電光石火のごとくあっという間に原稿を書いたのであった。

 そんな中、某製薬会社に勤務する知人よりだしぬけにメールが届いた。「『肌と皮膚の隅で』が週間ランキング5位でした。おめでとう!」なんぞと書かれていた。日経メディカルAナーシングには様々な記事が掲載されており、そもそも1週間でも多数の記事が新たに掲載されるであろう。その中の5位というのはなかなか健闘しているではないか!我ながらアッパレ!などと極めて他人行儀に大作家の如く鷹揚に構えていた。

 大作家は締切なんぞ遅れるのが常である。そこで態度だけは大作家を見習っていたところ、やはり編集部から原稿催促のメールが来た。なにせ大作家であるので、「創作意欲が湧かぬ」なんぞとデタラメなことを言い、しかしついでに前出のメールの真偽を確かめると、神よ!悪魔よ!週間ランキングとは日経メディカル Online上で公開したほぼ全ての記事が対象であり、本連載はその5位であることが判明した。開始2回目で堂々の5位である!さよう多数の読者が存在したとは文字通り顔から火が出る思いであり、もっと真剣に書くべきであったと大いに反省した。

 しかし、反省ならばサルでもできるのである。そもそも、かような重要な情報は編集部から一切知らされず、あまつさえ編集部から寄せられるメールの宛名はいまだに「阿部先生」なんぞとなっている。ということは、週間ランキング5位であっても、あまりに無益な内容であることから編集部内では「肌と皮膚の隅で」打ち切り論などが噴出しており、著者の漢字などどうでもいいのかもしれない。

 しかし、それは読者には関係ない。それだけ大勢の方が読んでくださっているとなればテーマも慎重に選ばねばならぬ。何せ、天下の日経で連載を頂いているのであるから、本来もっと著者は感謝すべきなのであろう。事実、今ではすっかり改心し、新聞といえば日本経済新聞を愛読するようにしている。

 実は、この記事は著者にしては珍しく準高級ホテルで深夜執筆しているが、サービスである明日の朝刊も、フロントマンに難癖をつけて見事本来指定はできぬ日経新聞が配達されることとなった。著者は株なんぞ全く手を出さぬので、大半の記事は猫に小判なのであるが、意外にも日曜版などには興味深い医療記事なども掲載されており、さすが日経であるといえる(恐らくここまで書いておけば、編集部が本連載打ち切りを決定しても、親会社の日本経済新聞社がそれを阻止してくれるであろう)。

 それを受けての今回のテーマである。選定には苦労したが、ここは一つ著者の専門分野を書かせていただこう。そもそも、最も得意とするのは交通皮膚科学であり、何のことはない「鉄道」ネタである。何せ鉄道で2本もエッセー連載を持っている身であるから、かなり高度なことが書けるはずである。しかし、さすがにそれでは親会社も「連載中止はやむなし」となるので、皮膚科医として興味を持って取り組んでいる「乾癬」について記そう。

著者プロフィール

安部正敏(医療法人廣仁会札幌皮膚科クリニック副院長、褥瘡・創傷治癒研究所)●あべ まさとし氏。1993年群馬大学医学部卒。同大皮膚科入局。米テキサス大サウスウェスタンメディカルセンター細胞生物学部門研究員、群馬大皮膚科講師などを経て、2013年から現職。近年エッセー連載も多数。

連載の紹介

安部正敏の「肌と皮膚の隅で」
看護師が日常的に遭遇する皮膚疾患をテーマに、病態のメカニズムや治療の最新知見、スキンケアのピットフォールなどを解説するエッセー。看護師向けセミナーや書籍などで大人気の安部正敏医師が、分かりやすくレクチャーします。

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