日経メディカルのロゴ画像

第85回 主訴:[腹痛]
半年間続く腹痛を主訴に来院した44歳男性
川端大史(江別市立病院)

2014/09/10

江別市立病院 川端大史先生

【症例】44歳男性

【主訴】腹痛

【現病歴】
6か月前の深夜に右下腹痛で目が覚め、その日は我慢できないほどの痛みであった。翌朝には多少軽快したものの、症状が続いていた。
発症2週間後にかかりつけの病院を受診して精査した(問診上は採血、腹部エコー、上部消化管内視鏡を施行されたようであった。腹部CTに関しては記憶があいまいで確認が取れず)が、特に異常なしとの結果であった。
その後も経過をみていたが症状の寛解に至らず、痛みの原因がわからないという不安もあり、当科初診となった。

腹痛に関して:
性状は鈍痛。右下腹痛のほか右背部痛も同時期より自覚している。痛みの移動無し。人生最大の痛みを10とすると、発症時7/10の持続痛であったが、現在は3/10の間歇痛であり、症状は3-4日続くこともある。経過としては発症時が最も痛んだ。このような症状は初めての経験。増悪因子は座位保持。寛解因子は立位保持。随伴症状は特になし。

【既往歴】
2年前に狭心症の診断で他院にて冠動脈ステント留置し、その後同院通院中。
ほか:逆流性食道炎、高血圧症
帯状疱疹の既往はなく、腹痛発症からの皮疹の出現もなし。

【家族歴】特記すべきものなし

【内服】
バイアスピリン、ランソプラゾール、アムロジピン

【生活歴】
喫煙:20歳~42歳まで10本/日(狭心症を契機に禁煙)
飲酒:なし
アレルギー:なし
体重減少:2年前の狭心症での入院中に10kg減量した(84kg→74kg)以降は変化なし
職業:自動車販売の営業
ADL:自立。現在の腹痛は日常生活には影響していない。
家族構成:妻・長男と3人暮らし

【身体所見】
General appearance:not so ill
Structure:身長175cm、体重74kg
Vital signs:意識清明、体温36.5℃、血圧120/60mmHg、脈70/分整
頭頚部:特記すべき所見なし
胸部:特記すべき所見なし
腹部:やや膨満、軟、右下腹部に圧痛あり、筋性防御なし。肝脾周囲の叩打痛なし。
背部:右背部にも圧痛あり。CVA叩打痛なし。脊柱の圧痛および叩打痛なし。
皮膚:皮疹なし
【検査所見】
血液検査:
WBC4,800/μL(Eo2%、Baso1%、Neut60%、Lymph29%、Mono8%)、Hb16.8g/dL、Ht48.1%、Plt19.8万/μL、Na141mEq/L、K4.1mEq/L、Cl104mEq/L、Ca9.7mg/dL、P3.2mg/dL、BUN8.7mg/dL、Cre0.9mg/dL、AST21IU/L、ALT27IU/L、LDH153IU/L、ALP340IU/L、γ-GT38IU/L、CPK158IU/L、T-bil1.48mg/dL、TP7.0g/dL、Alb4.7g/dL、CRP0.1mg/dL、ESR2mm/h

胸部単純写真:特記すべき所見なし
腹部単純写真:特記すべき所見なし
心電図:施行せず

これまでの病歴、所見からどのような鑑別疾患を考え、追加で身体所見や検査をオーダーしますか?

著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

連載の紹介

MedPeer ケース・カンファレンス
医師が医師のために運営する日本最大の医師限定掲示板「MedPeer」では、会員医師がネット上で自由に参加できる症例検討会を実施中(iCC;インタラクティブ・ケース・カンファレンス)。その中から興味深い症例をピックアップして紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ