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第63回 主訴:[腹部膨満][下腿浮腫]
原因不明の腹水貯留で紹介受診した68歳男性
吉永晃一(株式会社麻生飯塚病院)

2013/07/30

株式会社麻生飯塚病院 吉永晃一先生

【症例】 68歳 男性

【主訴】 腹部膨満、下腿浮腫

【現病歴】
ADL自立した68歳男性。もともと機会飲酒程度であったが、3年前に退職し、日中自宅にいるようになってから飲酒量が増加した。受診6カ月前より両下肢の浮腫を自覚していた。受診4カ月前頃から倦怠感が増強し散歩ができなくなり、食事摂取量の低下(1日1食)、体重減少(-5kg)といった症状がみられていた。受診2カ月前に腹部膨満が著明となり、近医に入院した。肝疾患による腹水貯留と診断され、利尿薬投与および腹腔穿刺で一時的に腹部膨満は改善した。しかしその後発熱、腹水増加を認め、特発性細菌性腹膜炎と診断され抗生剤投与されていたが、腹水のコントロールに難渋するため当院を紹介受診した。

ROS:頭痛(-)、鼻汁(-)、咽頭痛(-)、喀痰(-)、咳嗽(-)、呼吸困難(+):労作時のみ、胸痛(-)、動悸(-)、腹痛(-)、嘔気(-)、嘔吐(-)、下痢(-)、四肢冷感(-)、掻痒感(-)、関節痛(-)、筋痛(-)、麻痺(-)、悪寒(-)、戦慄(-)、Sick contact(-)

【既往歴】
高血圧(+)、糖尿病(-)、脂質異常症(-)、喘息(-)、結核の既往(-)
63歳時~ 高血圧症に対し加療開始、同年大腸ポリープに対し内視鏡的粘膜切除術を施行
受診9カ月前 陰嚢水腫に対し手術、5日間入院

【薬剤歴】
フロセミド40mg、スピロノラクトン50mg、ランソプラゾール15mg、分岐差アミノ酸製剤、酸化マグネシウム1g

【アレルギー】 なし

【社会歴】
[ADL]自立(移動は杖歩行)
[飲酒]焼酎3合/日(本人談、昼間から飲酒する日も多い)
[喫煙]20本/日×50年間

【家族歴】 特記事項なし

【入院時身体所見】
[全身状態]意識状態: JCS 0、GCS E4V5M6、身長: 168cm、体重: 48.85kg、BMI: 17.3
[Vital signs] 血圧: 134/88mmHg、脈拍: 120/min、体温: 36.1℃、呼吸数: 18/min、SpO2: 100%(room air)
[頭部] 眼瞼浮腫-、眼瞼結膜蒼白、眼球結膜黄染なし、瞳孔3mm/3mm、対光反射: +/+
[口腔]口腔内衛生不良+、潰瘍-、乾燥-、白苔-、咽頭発赤-、腫脹-
[頸部]静脈怒張-、リンパ節腫脹-、項部硬直-
[肺]呼吸音: 清、wheeze(-)、crackle(-)
[心臓]心音:1→2→3-4-、心雑音-
[腹部]膨満著明、腸蠕動:やや弱、腹壁静脈怒脹-、圧痛-、筋性防御-、反跳痛-、腹膜刺激徴候-、肝触知-、脾触知-
[背部]CVA圧痛-、叩打痛-
[四肢]チアノーゼ-、下腿浮腫2+、動脈拍動(両側橈骨動脈+、両側足背+)、
[皮膚]くも状血管腫-、手掌紅斑-

著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

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