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第53回 主訴:[腰痛][黒色便][無尿]
腰痛、黒色便、無尿を主訴に来院した74歳男性
永井友基(手稲渓仁会病院)

2013/04/19

ケース主催医 手稲渓仁会病院総合内科シニアレジデント 永井友基先生

【患者】 74歳、男性

【主訴】 腰痛、黒色便、無尿

【現病歴】
来院4日前までは普段通り生活していた。来院3日前に急激な右腰痛および右下肢痛が出現したため、自宅にて経過を見ていた。来院2日前から尿量の減少を認め、来院1日前より無尿となった。来院当日トイレで動けなくなっている患者を家族が発見し、便器内に大量の黒色便を認めたため当院へ救急搬送となった。

【既往歴】
40歳頃 右肺上葉の真菌感染症にて部分切除術(詳細不明)
60歳代 高血圧、脂質代謝異常症を指摘され内服加療中

【アレルギー】
Non known drug allergy

【生活歴】
飲酒歴 機会飲酒、喫煙歴 なし、ADL full

【内服薬】
アムロジピン 5mg、アテノロール 25mg、アトルバスタチン 5mg

【入院時身体所見】
身長170cm、体重75kg BMI 26。
意識清明、ストレッチャー上で横たわっており全身倦怠感・臀部痛で体動不能
体温 36.8℃、呼吸 30回/分、脈拍 80回/分(整)、血圧 140/80mmHg、SpO2 99%(室内気)
頭頸部:眼瞼結膜に蒼白あり、眼球結膜に黄染あり
胸部:呼吸音 右側胸部に吸気時のcoarse cracklseあり、
心音   normal S1、S2 no S3/S4、心尖部にLevineII/VIの収縮期雑音あり
腹部:平坦・軟、右下腹部に圧痛あり、腹膜刺激症状なし、肝脾腫なし
    直腸診 タール便の付着あり、明らかな腫瘤は触知しない
体幹・四肢:右前胸部に点状出血あり、両側下腿にpitting edemaあり
背部:腰部脊椎叩打痛あり
神経:脳神経 II~XII intact、小脳失調所見なし、深部腱反射はすべて正常、Babinski反射なし、右下肢straight leg test陽性、右L3領域の感覚鈍麻あり、四肢の粗大な麻痺なし

【検査結果】
[血算] WBC 13320/μL(Stab 1.0%、Seg 69.0%、Lym 22.0%)、RBC 167万/μL、Hb 5.1g/dL、Hct 14.1%、Plt 1.3万/μL
[生化学] TP 5.5g/dL、Alb 2.8g/dL、AST 132U/L、ALT 70U/L、LDH 5676U/L、ALP 819U/L、γGTP 61U/L、T-bil 3.2mg/dL、D-bil 0.9mg/dL、CPK 1989U/L、Na 130mEq/L、K 6.2mEq/L、Cl 96mEq/L、BUN 185.9mg/dL、Cre 9.28mg/dL、FBS 160mg/dL
[凝固]PT-INR 1.15、APTT 31.8sec、Fib 208mg/dL、FDP 80μg/mL以上、D-dimar 60μg/mL以上、AT-III活性 75%
[尿検査] 無尿のため採取できず
[心電図] T波の増高あり、そのほかの異常は指摘できない
[胸部レントゲン写真] 心拡大なし、うっ血所見なし、胸水なし、肺野浸潤影なし

Q どのような疾患を疑い次にどのような検査・治療を行いますか?

著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

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