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第52回 主訴:[腹痛]
腹部および仙骨部の巨大皮膚潰瘍で来院した66歳女性
佐野正浩(亀田総合病院)

2013/04/10

亀田総合病院 佐野正浩 先生

【患者】 66歳女性

【主訴】 腹痛、臀部痛

【現病歴】
来院1年位前に臍の右側が500円玉ほど突出しており軟部組織が露出していたために近医を受診し軟膏塗布と切開排膿を持続されていた。

少しずつ病変部が拡大し、ミカン大にまでなったために他院を受診。臍ヘルニアの診断で来院2カ月前に手術がされた。この頃より仙骨部に褥瘡(程度は不明)が出現してきた。術後に臍の創部感染を起こし、創培養では緑膿菌が検出された。感染部位は急速拡大と仙骨部の褥瘡増悪のため、来院1カ月前に臍部と仙骨部のデブリが行われた。以後創部の消毒が継続されていた。

来院8日前に悪寒戦慄を伴う38.5度の発熱を認めたためメロペネムを5日間投与され解熱を認めた。その後は37度前後であったため抗菌薬は投与されずに経過観察されていた。術後感染に対して皮膚移植目的で当院へ紹介転院となり、全身管理目的で総合診療科入院となった。

【既往歴】
鬱病: 48歳
高血圧: 51歳
糖尿病: 59歳
気管支喘息(咳と呼吸苦で6回入院): 61歳

【内服】
アムロジピン5mg/日:Caチャンネルブロッカー(高血圧)
ピオグリタゾン15mg/日:チアゾリジン誘導体(糖尿病)
グリクラジド40mg/日:SU剤(糖尿病)
シタグリプチン50mg/日:DPP4阻害薬(糖尿病)
テオフィリン徐放製剤200mg/日(気管支喘息)
フドステイン1200mg/日:(気管支喘息)
ラフチジン20mg/日:H2-blocker (胃十二指腸潰瘍)
酸化マグネシウム990mg/日:(便秘症)
センノシド 24mg/日(便秘症)
その他、漢方や健康食品の使用なし

【抗菌薬曝露】 ※前医での培養結果は後述
来院60日前から来院57日前: ピペラシリン・タゾバクタム 4.5g 1日3回
来院42日前から来院31日前: シプロフロキサシン 300mg 1日2回
来院8日前から来院4日前: メロペネム 1g 1日3回・・・培養で耐性と分かり中止。 
                   その後抗菌薬投与なし。

【アレルギー】 なし

【生活歴/家族歴】
喫煙: 40本×20年間(最近1年間は喫煙)
飲酒: なし
ADL: 来院時はベッド上で歩行は不可能。来院2カ月前から徐々に歩行困難になる。
家族歴:母が高血圧、妹が急性虫垂炎、妹が気管支喘息

【入院時バイタル】
意識: JCS1-2、体温:37.4℃、血圧:120/60mmHg、脈拍:120回/分、呼吸数:14回/分、SpO2:98%(RA)、身長:146.5cm、体重:75kg

著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

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