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第51回 主訴:[膀胱直腸障害]
左側腹部痛の後に尿閉をきたした81歳男性
平野央(福知山市民病院)

2013/03/29

福知山市民病院 平野央先生

【患者】 81歳 男性

【現病歴】
X月12日ごろから左側腹部の疼痛を自覚した。経過観察しても症状改善せず、X月15日に当院内科外来受診となる。来院時、数個の同相同大の紅丘疹を疼痛部位に認めたことと病歴から帯状疱疹が疑われロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニン)とバラシクロビル塩酸塩(バルトレックス)を5日分処方となる。
X月16日より尿意を認めるも排尿困難が出現した。また、以降より38℃の発熱が1週間ほど持続した。疼痛も持続したためX月15-18日にかけて皮膚科受診しプレガバリン(リリカ)にて管理を行ったが、経過中皮疹は消失し、新たな皮膚症状は確認できなかった。その後、排便困難症状も出現し、X月21日から便秘となる。また、排尿困難も進行認め、この時点で尿閉となり同日、当院泌尿器科受診し尿道カテーテル留置・タムスロシン(ハルナール)処方となる。
 投薬後も排尿・排便困難症状改善見られず、X月25日に当院再診し、原因精査および加療目的で同日入院となる。

【既往歴】 左鼠径ヘルニア根治術後
 肺結核(約20年前)
 脂漏性湿疹症/多形慢性掻痒疹→当院皮膚科(77歳時より)
      
その他に検診では異常を指摘されたことはない。
過去の血液検査dataなし

【生活歴】
喫煙歴: 15本/日×60年、飲酒歴:機会飲酒:、アレルギー歴:なし 海外渡航歴:なし
飼育歴:なし 性交歴:不特定多数の女性との接触なし

【家族歴】 特記事項なし sick contact:なし

【内服薬】 タムスロシン(ハルナール)0.2mg 1T分1朝後
プレガバリン(リリカ)75mg1cap 1T分1眠前
フェキソフェナジン(アレグラ)60mg 4T分2 朝夕後
スプラタスト トシル酸塩(アイビーディカプセル) 100mg 3cap分3毎食後
※サプリメント内服や漢方薬のなし

【入院時現症】
身長:151.4cm 体重:44.85kg BMI:19.57、意識清明、心拍数:67回/分 整、血圧 158/79mmHg、呼吸数:16回/分、SpO2 98%(ambient)、体温 36.7℃
頭頸部:眼瞼結膜 貧血なし、眼球結膜 黄染なし
咽頭・扁桃は発赤や腫脹なし
頸部リンパ節腫大なし、甲状腺 腫大や圧痛なし
胸部:呼吸音 no crackles、心音 3、4音は聴取せず、第3肋間胸骨左縁に収縮期駆出性雑音を聴取
腹部:左側腹部に圧痛あり、反跳痛なし、腸蠕動音は亢進も減弱もなし、肝、脾は触知せず
肋骨脊柱角叩打痛あり (左右差なし)
四肢:浮腫なし、冷感なし
神経:運動障害なし、感覚障害なし 肛門括約筋反射やや減弱
皮膚:皮疹を含む異常なし   
関節:発赤、腫脹、圧痛いずれもなし

【入院時検査所見】
WBC:8930/μL (neut:72.2%、lymph:20.5%、mono4.5 %、
eos:2.6% baso:0.2%) Hb:13.9g/dL、PLT:23.6万/μL、
BUN:17mg/dL、Cr:0.83mg/dL、TP:7.0g/dL、Alb:3.8g/dL、
T-bil:0.6mg/dL、AST:18IU/L、ALT:13IU/L、ALP:281IU/L、
γ-GTP:32IU/L、LDH: 229IU/L、Na:142mEq/L、K:3.9mEq/L、
Cl:106mEq/L、CRP:1.08mg/dL、BG:104mg/dL、HbA1c:6.3%、
IgG:1354mg/dL IgA:184mg/dL IgM:82mg/dL
尿定性:色調 黄色、比重:1.0110、pH 5.5、蛋白:-、潜血-、Glu: -、WBC: -、ケトン: -
尿沈査:赤血球 :1-4/HPF、WBC: 1~4/HPF
心電図:NSR、67bpm、LVH(+) 胸部X線:異常なし

【入院時画像所見】
胸部X-P:特記すべき所見なし

以上が入院時病歴・身体所見になります。
先生方は、ここまででどのような疾患を考え、問診・身体診察や検査を追加されますか?



著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

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