日経メディカルのロゴ画像

第42回 主訴: [全身倦怠感] [発熱]
発熱と倦怠感を主訴に受診し、原因不明のショックで転院搬送された42歳女性
中村匡宏(手稲渓仁会病院)

2012/12/28

◎手稲渓仁会病院 中村匡宏先生

【現病歴】
発症前日までは発熱等もなく普段通りの調子だった。入院前日の午前2時、特に誘引なく嘔気が出現し、計3回嘔吐した。同日午前中に近医を受診し、上気道炎と診断され、吐き気止めの点滴を施行し帰宅した。その後も倦怠感、嘔気が遷延し、食事は全くとれない状況で、血圧測定すると普段と比較し血圧が低い(収縮期血圧60mmHg、普段の収縮期血圧100mmHg)ことを自覚していた。同日午後6時に家族(夫)が帰宅したところ、38℃の発熱(悪寒・戦慄なし)を認め、倦怠感が強い様子であったため、同日午後9時に近医を受診した。倦怠感以外の自覚症状は認めなかったが、低血圧、発熱、血液検査で炎症反応高値(WBC 14900/μL.CRP 15.1mg/dL)であったため敗血症疑いと診断され、同日同院入院となった。入院後、胸腹部単純CTで明らかな異常所見は認めず、発熱の明らかな原因は特定出来なかった。血液培養、尿培養採取後に抗生剤点滴(CFPM2g)、ステロイド点滴(メチルプレドニゾロン125mg)を施行し、昇圧薬の持続点滴(ドーパミン8r、ノルアドレナリン0.05r)を開始したが、循環動態(血圧)が安定せず、入院当日午前7時に当院転院搬送となった。

【ROS】
健診の状況:ほぼ毎年の受診し異常なし
全身状態:倦怠感(+) 体重変化(-) 発熱(+) 盗汗(-)
皮膚:発疹(-) 掻痒感(-)
造血系:貧血(-) 出血傾向(-) リンパ節腫脹(-)
神経系:頭痛(-) 眩暈(-) 痙攣(-) 脱力(-)
頭頸部:視力障害(-) 複視(-) 視野欠損(-)
 聴覚障害(-) 耳痛(-) 耳鳴(-) 鼻汁(-)
 口渇(-) 味覚変化(-) 歯痛(-) う歯(-)
 咽頭痛(-) 嗄声(-) 嚥下痛(-)
筋骨格系:筋痛(-) 関節痛(-) 関節腫脹(-) 朝のこわばり(-)
呼吸器系:咳嗽(-) 喀痰(-) 喀血(-) 呼吸困難(-)
循環器系:胸痛(-) 動悸(-) 起坐呼吸(-) 夜間発作性呼吸苦(-)
消化器系:食欲不振(-) 嘔気・嘔吐(-) 下痢(-) 吐血(-)
 心窩部不快感(+) 便秘(-) タール便・黒色便(-)
泌尿生殖器系:排尿困難(-) 頻尿(-) 肉眼的血尿(-)

【既往歴】 39歳:掌蹠膿疱症

【内服薬】 なし

【アレルギー】 なし

【社会歴】
喫煙15本×20年、飲酒:なし
生理周期:28日、最終月経:入院5日前~現在(不正性器出血なし)
シックコンタクトなし
家族構成:夫、夫の父母、子供(6カ月)の5人暮らし

【家族歴】 特記事項なし

【身体所見】 全体観察 良好 意識清明
バイタル:BP 144/86mmHg、HR 72/min・reg、BT 35.2℃、SpO2 98% in RA、RR 16/min
頭部:眼瞼結膜蒼白なし 眼球結膜黄疸なし 咽頭発赤・扁桃腫脹なし
頸部:リンパ節腫脹・圧痛なし 甲状腺腫脹なし・圧痛なし 頸静脈努張なし
心音:S1S2 clear noS3/S4 no MGR
腹部:腸蠕動音正常、平坦軟、圧痛なし、肝脾腫なし
背部:CVA tendernessなし、脊椎叩打痛なし
四肢:浮腫なし チアノーゼなし、末梢温かい 
皮膚:皮疹・点状出血なし
神経:Jolt陰性、項部硬直なし

著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

連載の紹介

MedPeer ケース・カンファレンス
医師が医師のために運営する日本最大の医師限定掲示板「MedPeer」では、会員医師がネット上で自由に参加できる症例検討会を実施中(iCC;インタラクティブ・ケース・カンファレンス)。その中から興味深い症例をピックアップして紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ