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第28回 主訴:[両手指脱力感]
両手指脱力感を主訴に来院した79歳男性
古堅高之(手稲家庭医療クリニック)

2012/08/10

◎手稲家庭医療クリニック 古堅高之先生

【主訴】 両手指脱力感

【現病歴】
来院1年ほど前から両手指、両側下腿部の脱力自覚あり。生活には不自由は認めないため放置していた。徐々に両手指の脱力増悪あり、来院2~3カ月前から着衣の際にボタンのかけづらさ、チャックの開閉動作困難が出現してきたため某院脳外科受診。頭部MRIにて左内頸動脈閉塞を認めるものの、明らかな急性期脳梗塞巣は認めず、高血圧合併しているとのことで高血圧フォロー依頼にて当院紹介となった。

【既往歴】 7年前に胃癌にて胃全摘後、胆嚢摘出後

【アレルギー】 NKFDA

【嗜好歴】 40本/日×40年(60歳でやめた)、アルコール;60歳まで1日5合

【入院時身体所見】
身長159cm、体重55kg BMI;21
意識清明、体温36.8℃、脈拍60回/分(整)、血圧 172/91mmHg、
SpO2 98%(室内気)
頭頸部:眼結膜に蒼白なし。黄染なし。複視なし。対光反射迅速。リンパ節腫脹なし。
胸部:呼吸音 清。心音 整。雑音 なし
腹部:平坦・軟、圧痛なし 正中に手術痕あり
四肢:浮腫なし
神経学的所見:
脳神経:外眼筋運動良好
顔面皮膚感覚正常、額しわ寄せ可 鼻唇溝左やや下垂あり 舌萎縮なし
運動系)左でやや握力低下あり 手指巧緻障害(+) 
MMT:三角筋(3,3)上腕2頭筋(4,4) 上腕3頭筋(4,4)手関節屈曲(4,4) 手関節伸展 (4,4)腸腰筋(4,4) ハムストリング(4,4) 前脛骨筋(4,4)腓腹筋(4,4)
歩行軽度ふらつきあり。片足立ちできない
Mann 試験(+) Romberg(+) Barre(-) 安静時振戦(-)
筋トーヌス正常 Babinski右で陽性
DTR)下顎反射(-) 両側上腕二頭筋でやや低下、膝蓋腱反射:右でやや亢進
アキレス腱反射:正常
小脳系)指鼻指試験:右で不良 膝踵試験:右で不良
感覚系)温痛覚は両側上肢で消失 振動覚:両手関節3~5秒 膝:5秒 足関節2~3秒

【入院時検査所見】
WBC3880/μL、Hb12.4g/dL、MCV101fl、PLT16.6 万/μL、BUN13.2mg/dL、
Cr 0.69mg/dL、TP 6.6 g/dL、Alb 4.0 g/dL、T-bil 0.7mg/dL、、GLU104mg/dL
AST41 IU/L、ALT 23 IU/L、ALP418 IU/L、γ-GTP10 IU/L、LDH267 IU/L、
CK94 IU/L、Na140 mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 105mEq/L、CRP <0.05mg/dL
TSH 2.24μU/mL
尿)タンパク(-)潜血(+/-)

【追加の問診事項】
・1年前と比べて会話の速度がゆっくりとなってきていると家族より指摘はあるとのこと
・1年前と比べて歩行の際に足に力が入らない感じがある。

Q どのような疾患を疑い、どのような検査を追加しますか。


著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

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