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第17回 主訴: [発熱] [悪寒・戦慄]
90歳女性の右大腿部痛・発熱・悪寒戦慄
木村武司(亀田メディカルセンター)

2012/04/20

◎出題:亀田メディカルセンター 木村武司先生

【患者プロフィール】
90歳 女性

【主訴】 発熱、悪寒・戦慄

【現病歴】
骨粗鬆症、慢性便秘にて近医通院中の90歳女性。移動は杖歩行、食事はおかゆ程度の食形態を問題なく摂取できる方。 1年半前から右大腿部痛を自覚されていた。最近は3日に一度右大腿から膝に広がる間欠的な疼痛を自覚していた。受診9日前にデイサービスの入浴後に一度嘔吐し、かかりつけの近医で点滴治療を受けた(点滴内容の詳細は不明)。また、2,3日分の内服薬(下記)も処方された。この日から食欲がなかったが、ビスケットやゼリー飲料は食べて過ごしていた。

受診当日夜間に悪寒・戦慄が出現し、その際に発熱も認めたため家族が救急要請、当院救急外来を受診。その後下記の内容で、高齢者の発熱・入院適応について救急外来から当科にコンサルトとなった。

【ROS】
陽性:嘔吐(1回のみ)
陰性:倦怠感、咳嗽、咽頭痛、呼吸苦、腹痛、下痢、背部痛、関節痛

【既往歴】
骨粗鬆症
慢性便秘
2年前に右大腿骨転子部骨折+右橈骨遠位端骨折
→転子部骨折はガンマネイルによる観血的整復術を施行された

【家族歴】 特記事項はなし

【社会歴】
内服薬:近医からの定期薬はセンナ(アローゼン)
受診9日前から追加された処方
ドンペリドン(ナウゼリン)10 3錠 分3
酸化マグネシウム 2錠 分2
アジスロマイシン(ジスロマック)250 2T 3日間飲みきって終了
アセトアミノフェン(カロナール) 200mg 頓用
ジクロフェナク坐薬(ボルタレンサポ)25mg 頓用

【アレルギー歴】 なし

【渡航歴・野外活動】 なし

【シックコンタクト】 周囲で流行している感染症なし

【身体所見】
意識清明(自分で病歴をお話される程)
身長131cm 体重31.2kg
体温39℃、血圧125/76mmHg、脈拍数101回/分 呼吸数18回/分、酸素飽和濃度(94%room air)
頭頸部:眼瞼結膜貧血なし、眼球結膜黄染なし、点状出血なし
頸部:右頸部にリンパ節腫脹あり
胸部:両肺野Air入り良好で左右差なし 呼吸音清 肺雑音聴取せず
   心音 リズム整 明らかな心雑音なし
腹部:平坦 軟 腸蠕動亢進減弱なし
   右鼡径部~膝上レベルまで圧痛あり 発赤・熱感や腫脹なし
背部:CVA tenderness-/- 椎体は圧痛なし 褥瘡なし
四肢:下腿浮腫無し
皮膚:皮疹なし
神経:明らかな神経学的異常所見なし

著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

連載の紹介

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