日経メディカルのロゴ画像

亜鉛華単軟膏を「ZS」と誤った略号で記載

2014/01/28

<処方箋の具体的内容は>

60歳代前半の女性
<処方1>病院 皮膚科(手書き処方箋)
マイザー軟膏0.05%
15g
ZS
10g
混合
足の湿疹
1日2回塗布
 

<何が起こりましたか?>

・湿疹がみられた患者にマイザー軟膏0.05%<ジフルプレドナート>と亜鉛華単軟膏<酸化亜鉛>を混和して使用するよう処方したが、亜鉛華単軟膏の略号を誤って「ZS」と記載してしまった。

<どのような過程で起こりましたか?>

・患者の足に湿疹が見られており、少し前からマイザー軟膏0.05%<ジフルプレドナート>と亜鉛華単軟膏を混和したものを処方していた。
・今回受診時もまだ症状がなくなっていなかったため、同様の処方を行う予定であったが、亜鉛華単軟膏を手書きで書くのが面倒であったため、略号として「ZS」と書いた(<処方1>)。
・処方後、しばらく後に保険薬局の薬剤師から電話があり、「本日、足の湿疹にマイザー軟膏を処方された患者さんですが、前回は亜鉛華の単軟膏でしたが、今回はZSと書かれており亜鉛華軟膏になっておりました。患者さんは変更について特に伺ってないということでしたが、亜鉛華軟膏に変更ということでよろしいでしょうか?」と連絡があった。

<どのような状態になりましたか>

・亜鉛華単軟膏を処方したつもりであったため、前回処方から変更せず亜鉛華単軟膏で調剤するようお願いした。
・後で確認したところ、ZSは処方意図の亜鉛華単軟膏の略号ではなく、亜鉛華軟膏の略号であった。

<なぜ起こったのでしょうか?>

・亜鉛華軟膏の「ZS」の略号を、亜鉛華単軟膏の略号であると勘違いしていた。ZSは亜鉛華軟膏”Zink Salbe(ドイツ語)”の略号として使われることが多いが、亜鉛華単軟膏”zinc oxide simple ointment(英語)”略と勘違いしていた。

<二度と起こさないためには今後どうしますか?>

・一般的に用いられる略号を間違えないようにする。
・厚生労働省保険局医療課長通知(平成24年 3 月)の「診療報酬請求書等の記載要領等」では、医薬品名は「一般的名称に剤形及び含量を付加した記載(以下「一般名処方」という。)又は薬価基準に記載されている名称による記載とすること。」とされており、正確な略号で記載しても、医師と薬剤師など医療従事者間で略号の解釈が異なると取り違えや事故の原因ともなるため、略号での処方は原則避けるようにする。

 

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

この記事を読んでいる人におすすめ